日日是好日のレビュー・感想・評価
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懐かしかった
表千家のお茶、10年くらいだけれどお稽古していたから懐かしかった。お庭、つくばい(漢字が出ない)、掛け軸、美しい主菓子、炭点前、冬の夜ばなしの茶会、大寄せの茶会。
私の先生はあんな感じであんな風には話さなかった。お稽古もあんな風ではなかった。もっと高度なことを沢山教えて下さった。素晴らしく哲学的で文学的だった。そして、すぐ何かわかった気になったりしたら、見透かされる厳しさがあった。私のお点前を「自意識過剰」と言った。ショックだったが本当のことだった。同じ世代の女の子達と過ごしたお稽古、お茶会のことは一生、忘れない。
そういうことを沢山思い出さしてくれた映画でした。それだけ。
またお茶を始めたくなりました!
樹木希林さん、こんな上品な先生役も出来るんだと、感心しました。味のある、とても良い作品でした。私も、学生時代に、お茶の教室に通いましたが、また始めたくなった作品です。
祖母の思い出
祖母がお茶の先生でした。
茶筅で シャカシャカ 涼しげな渓流のような音を茶室に満たし、一瞬の間。
無音・静寂のあとに「 コトリ・・」と茶筅の柄を碗の縁にそっと落とす、
これを二回やるのですよ。「ししおどし」の音ですねー
大阪の公営団地の一室。
ベランダの下にはせわしいバス通りがある筈なのですが、いつしか障子の外には苔むした庭と樋水のつくばいの姿がありありと立ち上がる。
不思議な魔法の一時でした。
あれはオリジナルなのか、何かの流儀なのか、僕は永く確かめる事もせずに祖母は亡くなりましたが。
先日お墓参りの折、やっと母と叔母たちに訊きました、あの「ししおどし」は何なのか。
皆そんなものは知らないと言い、裏千家では余計な音は立てる筈はないと。
おばあちゃん、
結構なお点前でした。
あなたはたった一人僕のためだけに あの時 あの一回だけ あのお茶をたてて下さったのですね。
思い出しました、心を病んでいた孫はあの夏祖母の家に預けられていたのです。
今もあの日の茶筅とお湯の音は僕の心を浄めてくれます。
・・・・・・・・・・・
「形にね、心が入っていくの」樹木希林
映画の世界観は嫌いじゃないし、多部ちゃんが出てた前半までは良かった...
映画の世界観は嫌いじゃないし、多部ちゃんが出てた前半までは良かったのになぁ。
後半は話がブツ切れな感じがしてつまらなかった。
いきなり弟が出てきた時はびっくらこいた。弟なんていたの!?
鶴田真由の役どころも中途半端な登場でした。
でも、明日なにがあるかわからない。
今日を大切にしようと改めて思えた作品でした。
継続は力なり
恥ずかしながら茶道についての知識が全く無い私でも楽しめた。というより勉強になった。
何十年と習っている人でも自分はまだまだ未熟と思っているのを凄いと思った。
何かを極めるって大変だなぁ…
あんな風に季節に敏感に丁寧に接していくって普段バタバタと生活している身としては非常に羨ましい。
樹木希林さん、唯一無二の素晴らしい女優さんだ!!と再確認。
【茶道の嗜みを品位高く、静かに描く。又、様々な女性の生き方も風味豊かに描き出す佳品】
観終わった後、不思議と心穏やかになっている。そして、人と自然に優しく接しようという気持ちにもなれる映画である。
移ろいゆく四季の中、変わらず静かにお茶を入れる日々。
慌ただしい日常の中、少し心を落ち着けたい時に観たい映画である。
樹木希林さん始め、出演される女優さんたちの着物姿も艶やかで良い。
<私は、前作「光」でやらかした大森立嗣監督が反省して作った映画だと思っていた。が、どうも違うらしい。振り巾の激しい監督である。>
<2018年10月8日 劇場にて鑑賞>
ゆっくりとした人間的な成長
樹木希林のちょっぴりユーモラスなお茶の先生から、茶道を教わる黒木華、多部未華子の親戚コンビ(笑)
お茶の世界の訳のわからないしきたりに沿って礼儀を学ぶ二人が微笑ましい。
最初、動作の意味は…と教えてる樹木希林が「茶筅をどうしてこう置くの?」と質問された時意味が説明出来ず「こうするものなの!」って返した時はホールから笑いが漏れていた。
黒木華の成長物語ではあるが、誰にでもありそうな経験からの成長をじんわり伝えてくれる。
観客は圧倒的に高齢者で作中で子どもの時に映画「道」を観て訳がわからなかったと言う少年少女は居なかったのが残念。
人生は五感で感じる。それは、茶道を通して。
ひょんなことから、茶道を習うことになった2人。
複雑すぎる茶道を習い続けるといろんなものが長年習い続けると何かが見えてくる。それは、人間に備わっている五感で。
樹木希林がゆっくりと教えていくことで何かを身につける。
単純にいいストーリーであると最後は思った。
星1.5引いた分については話さないでおく。
見るべきだ。
エッセイそのまま映画化
主人公:典子がひょんな事からいとこの美智子と茶道を習い行った事から始まる話。
体験談ぽく淡々と語る。
典子(黒木華)と美智子(多部未華子)の初めての作法習いの際は、まるで2人が脚本無しで演じている様で新鮮味を感じたのだが、それは徐々に無くなり、典子の人生話と化していた。
典子のナレーションも多くなり、「別にそんなに語らんでも」状態に。
茶道って、語らんでも感じ取れる部分が良いのでは?
語るのは武田先生役の樹木希林だけでいい。
人生話も少しはしっかり描きなさいよ。あっさりし過ぎ。
また、エッセイを単純に映画化らしく、
師匠:武田先生の御言葉→次に捻りがない典子のその言葉に纏わる出来事をすぐ持ってくる展開も好きになれない。映画なら伏線でも貼れば?状態。
工夫が無い映画としての作りにう〜ん。
綺麗で華麗な茶道作品だろうが、樹木希林他界寸前の作品だろうが、1映画としてはベタ褒めは致しません。
大切なことは目には見えないのだと
この世界には、すぐに分かることとすぐには分かりえないことの2つがある、という。
それが、主人公ののりこがお茶を教わる中で気づいたこと。
お茶の所作になんの意味があるのかを考えてしまうが、そうではないと樹木希林(演じる先生)。
お茶はそういうものなのよ、意味なんて作法を知るうちに自分で感じればいいじゃないという言葉が、無責任な印象をちらっと受けたが、そうではなかった。
お茶が人を成長させるとか、そういう恩着せがましいものではなく、
のりこの人生に寄り添って、心の安らぎや日常のきらめきみたいなものを表していたので、とても美しいものに思えた。
黒木華(のりこ)の所作もとてもきれいだった。
日日是好日の意味は言葉の通りだが、その受け取り方は人によって千差万別。
きっと、四季や天候、その日の気分を噛み締めながらいただくお茶に、人生の甘みや苦みが凝縮されているのだ。
日々全てが、良き日
エッセイストである原作者の実体験に基づく、お茶の世界。
そんな地味な題材、映画になるんかい!…と思うなかれ。
しみじみと味わい深い、結構な…いや、素晴らしいお手前で。
これぞ、日本映画の良き心。
魅了された点は多々あるが、本作を格別なものにした今は亡き名女優について真っ先に触れたい。
樹木希林。
お茶の先生、武田先生を演じる。
お茶の作法や所作には細かく厳しいが、性格自体は朗らかで茶目っ気たっぷりでユーモラス。
名言もたくさん。
いつもながら、演技なのか素なのか、区別が付かないほど。
希林さんの為のような、ハマり役と絶品の名演。
死去してから今年、2本の出演作が公開されるが、本作こそ最後の作品に相応しいとさえ感じた。
希林さんは女優だ。だから、お茶の事に関しては素人に等しい。
なのに、劇中披露するお茶の作法や所作は、本当にその道云十年の先生のよう。
おそらく、相当稽古し、勉強したのだろう。
その陰ながらの努力を一切見せず、感じさせず、飄々と自分のものに。役作りを必死にアピールするハリウッド俳優とは正反対。
思えば、希林さんはいつだってそうだった。
本当のプロフェッショナル。
代わるべき存在が居ない、唯一無二の名優。
改めて突然の死を悼むと共に、数々の名演で魅せてくれた敬意と感謝を捧げたい。
お茶の世界は覚える事、やる事がいっぱい。
いちいち細かい作法と所作は勿論、それぞれの道具の名称、それぞれの意味…こんなに大変なのか!
自分だったら細かすぎて疲れてしまうだろう。
頭で考えるから、出来ない/分からない。身に付けば、自然と手が動く。
それが出来た時、作法や所作の何と美しい事!
お茶の世界って、深い。
本作は和の美を嗜む作品だ。
畳の茶室。
部屋から覗く庭。
掛け軸などの装飾。
和菓子は見た目も美味しそう。(自分、和菓子好きなので)
映像は美しく、音楽も美しい調べであったり軽快であったり。
何度も何度も“美しい”という言葉を用いて恐縮だが、本当にその美しさに心奪われる。
どちらかと言うとシリアスやハード系が多かった大森立嗣監督にとっても新境地。
もう一つ印象に残ったのは、“音”。
大臨場・大迫力の音とは全く逆の静かな音ながら、
水を汲む音、水が沸く音、お茶を点てる音、庭の水の流れる音、飲みすする音、水とお湯の音の違いに至るまで、全ての音が心地よい。
目を閉じ、聞き浸りたいくらい。
黒木華、多部未華子にもほっこり。
よく女優なのに美人じゃないと言われる二人だが、個人的にこの二人、個性的で魅力的で、女優としても非常に好きなんだなぁ…。
黒木は、自分の人生にさ迷い中のヒロイン・典子。
多部は、サバサバして自律性のある従姉妹の美智子。
本作は、典子の20数年に及ぶ物語である。
大学生時代、親に薦められて始めたお茶。
全然身に付かず、いちいち細かすぎて、正直うんざり。
続けられるのかなぁ…? と言うか、お茶をやってて何か得になるの…?
就職に苦労。やっと見つけたバイト。
悩み、面接や試験など大事な前日、途端にお茶を嗜みたくなる。不思議な事に。
典子の性格上、何事も長続きしないタイプだろう。
が、お茶だけは長く続いている。
自分の人生に多大な影響を与えた…などという、大それた事ではあるまい。
自然とスッと、自分でも知らぬ内に、お茶が身に染み渡っていたのだ。
時の移ろい、典子の悲喜こもごもの歩み。
仕事、失恋、出会い、そして別れ…。
お茶と絡めながら。
20何年も続けているお茶。
いつもと同じ、変わる事の無い。
しかし、決してそうではない。
その都度その都度点てるお茶に、二度と同じお茶は無い。
人生とて同じ。
よく変わらぬ同じ日常の繰り返しと言うが、全く同じ日など無い。
必ず毎日、何か新しい事、新しい日がやって来る。
それは、一期一会。
だからこそ、一日一日を、嗜みたい。
辛い事も、悲しい事も、
嬉しい事も、幸せな事も、
お茶を楽しく頂くように。
一生に一度きりの日々。
その日々に感謝。
その日々全てが、良き日。
「日常の愛おしさ」を認識させてくれる映画
映画を見終わった後、「日日是好日」の意味を検索しました。
それによると、日々是好日は雲門禅師の悟りの境地を表した、最高の言葉とのことです。
一般に「好い・好くない」の判断の基準は、お金が儲かった・損をした、よいことがあった、嫌なことがあったなど、優劣・得・是非にとらわれたものさしで考えがちですが、日々是好日とは、そんなこだわり、とらわれをさっぱり捨て切って、その日一日をただありのままに生きる、清々しい境地なのだそう。
今が、悲しみの中にあろうと、喜びの中にあろうと、一瞬・一瞬を大切に生きること。と書かれていました。
この世界観を黒木華と樹木希林がとても丁寧に演じていて、共感しました。
季節の移ろい、花、雨、着物、感情が程よい距離感で語りかけてきます。激しく感情をゆすぶられることはないですが、気持ちの中の中に届くような、映画をみたあと、所作を美しくしたくなるような、そんな大人な映画でした。
書籍を読んだことがあったので、あの世界をどう映像化したのかと興味が...
書籍を読んだことがあったので、あの世界をどう映像化したのかと興味があったが、難しかったようだ。哲学的なことがもっともらしく話されるが共感できないまますすんでいく感じ。ゲド戦記を思い出した。映像化する必要があったのか?映像を作る時のルールを無視してるけど、もしかして新しい挑戦をしているのか?名作映画「道」は子供の頃分からなかったけど、大人になったら良さが分かるようになったと主人公が言っているが、この映画もそういう事なのか?評価が高かったし、名画座でやってたので期待してたのに、ハズレだった。時間を無駄にした。制作者がどういうモチベーションで作り始めたが知らないが、上手くいかなかったのでは?
やっぱ樹木希林いいね
全体的に落ち着いたトーンで淡々と
物語は進行する。
樹木希林演じるお茶の先生は、人生の機敏を知り尽くした達観者。まさにハマり役。
和風テイスト満載で美しい映画だ。
ラストも良かった。教える側、伝承する側になって初めて見えてくるものがある。
そんなことを改めて教えられる映画だ。
和風が好き
黒木華さんはイイです。和風テイストには憧れます。庭と茶室のある住まい、雨、緑、花、四季を感じ、本物の茶器や掛軸、お湯の音と水の音、茶道を女だけの世界に誰がしたんだ。音と映像だけでいいのにナレーション要らない。日日是好日はそういう穏やかな日が続くことが良いということなのか。主人公の生活の虚しさや悲しさを侘び寂びに繋ぎたいんだろうけど繋がりがちょっと薄い。クラシックな選曲が良いのにライナーに出て来なかった。樹木希林さんの追悼でお客さんはいっぱい。
映画化してくれて良かった
原作を読んでから鑑賞しました☺︎
原作での先生の序盤のイメージと樹木希林の年齢がかけ離れているような?違和感は多少あるものの、歳を重ねるにつれて合わさっていきました( ΦωΦ )
日日是好日、という言葉自体をどのように自分の中に落としていくか考える。。味わい深い作品です\( ¨̮ )/
樹木希林に尽きる
樹木希林が好きというだけで観た映画。
8割ぐらいお茶のシーンで、お茶が好きな人は好きな映画だと思う。四季ごとに変わるお茶、お茶菓子、掛軸、所作などなど、一つ一つが美しくてお茶が分からない人でも見とれるものでした。
茶道の教えを教えてくれるような映画でしたが、さすがの樹木希林であって、とても素晴らしい作品に仕上がっていました。
でもお茶好きじゃないとつまらないかも?
2018.10.27鑑賞
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