「頭で考えるのではなく、自然と体が動く事が大事なのよ」日日是好日 Mr.C.B.2さんの映画レビュー(感想・評価)
頭で考えるのではなく、自然と体が動く事が大事なのよ
昨日「1ST KISS」を映画館で一人で観たので、今日はNHK-BSで録画してあった未見の「日日是好日」を家内と二人で一緒に観賞。森下典子の原作エッセイは未読。
茶道教室でお茶に触れる典子の物語はいきなりフェデリコ・フェリーニの「道」から始まる。小さい時に父親に連れて行かれて解らなかった映画として。
20歳の春、大学生だった典子(黒木華)は母親の勧めで武田先生(樹木希林)の茶道教室に通い始める。気が進まなかった典子だが、いとこの美智子(多部未華子)が一緒に行くというので教室通いが始まる。性格等は対照的な典子と美智子だが仲良く教室に通う。
観た事も無い道具や作法(決まり事)だらけのお茶の世界に触れ、戸惑いながらも魅了されて行く典子。
「頭で考えるのではなく、自然と体が動く事が大事なのよ」
お茶を入れる時に流れるように体が動いた時の典子の歓び。教室通いは何年も続く。
茶室の掛け軸。和菓子。庭の花、木々。自然の音。
典子は美智子に言う「小さい時に父親に連れて行かれて解らなかった「道」という映画を最近観たら素晴らしかったのよ」
それは、彼女にとって最初は未知と戸惑いだった「茶の道」が長年通う事によって彼女の中で素晴らしいものとして理解されたのと同様だという暗喩か。
父親(鶴見辰吾)を失った時に彼女は海岸で号泣する。映画「道」でジェルソミーナの死を知ったザンパーノが海岸で慟哭したように。
ラスト、25年経った教室で武田先生と45歳の典子は空を見上げる。桜の花びらが舞い散っていた。(樹木希林さんは、この映画が公開される前の月に亡くなった)
「今日みたいな日に観るのに良い静かな映画だったね」と家内が言った。
みかずきです
共感ありがとうございます。
レビュータイトル通りだと思います。
頭で考えてから行動する現代人へのアドバイスだと思います。
では、また共感作で
ー以上ー
こんばんは。コメントありがとうございます。お茶のお稽古をしていたのはたかだか十年ちょっとです。お茶以外、日本のいわゆる伝統芸能関連のお稽古を例えば6歳からずーっと続けていればすごいでしょうね。それが稽古の前提。そんなことが身に沁みてわかりました。昨年から仕事や体調のこともあってお休みしてます(長唄の唄と三味線)。ストレスフリー❗️映画鑑賞に専念❗️幸せです