「ゆく河の流れは絶えずして・・・」日日是好日 TSさんの映画レビュー(感想・評価)
ゆく河の流れは絶えずして・・・
お茶(茶道)を習い始めた主人公が、人生におこる様々な出来事と茶道をリンクさせながら過ごした日々を淡々と描いた作品。
原作のエッセイは未読だが、かなり原作に寄せて作られた映画ではないだろうか。二十四節気を区切りに短い物語が繋がれていくように、静かに月日が流れていく。エッセイの1章毎に区切られているように思える。
大学生から中年になるまでの主人公典子を黒木華が演じているが、年齢を重ねていく様子をとても上手く演じている。和服が似合う顔立ち。
樹木希林は、どの映画に出ても「樹木希林」でしかない。しかしいつも素のような演技で画になる女優なんだ、やっぱり。存在感が違う。
100分という短い尺なので、主人公が遭遇する人生の悲喜交々の描き方はあっさりしているし、ずっと静かにときが流れていく。正直言って、退屈な映画である。
茶室の掛け軸や、何度も繰り返し挿入される水や川の流れ、玄関の履き物の映像に、禅の言葉が想起される。どれもタイトルの「日日是好日」に相通ずる言葉。
巡る季節の映像は、少しずつ視点を変えて映し出される。
夏の建具(引き戸)のしつらえが、センスがあってよかった。
世界観は好きだけど、映画としては、退屈。映像ももうちょっと工夫ができたのでは?タイトルの意味をわかってください、と言われているような感じが終始漂っておりました。
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