「丁寧な良作」日日是好日 ayadayoさんの映画レビュー(感想・評価)
丁寧な良作
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祖母が表千家の地方講師だったのですが、樹木希林の指導の言葉が、昔祖母から聞いた言葉と重なって、まずそれにしみじみしました。
お茶の世界は意外とローカルルールがないもんだな、という点に感心しました。
原作は未読ですが、茶道の心と、日々の生活にそれを活かすことというテーマを、よく消化していると思います。
?と思ったところ3点。
黒木華と多部未華子のカラオケシーンが無駄に長い(一瞬でよかった)。
時々挟まれる主人公の心象風景らしきものが、黒木華の演技力をもってしても浮いて見える時がある(海辺でずぶ濡れになって、亡き父に呼びかけるシーンとか)。
瀧のお軸から瀑布を感知するシーンは無音で映像だけ流す方が、観客も、無音だけど聴こえる、を共有できるし、没入感が出てよかったのでは。
庭木の若葉をズームインして細胞にまで入り込んでミトコンドリア?を大写しにするくだり(理化学研究所が協力でクレジットに入っていた)は、自然と生命の直結、悠久の時の流れと人の一生の儚さとか、禅的なものの含意だったのかなと思いますが…なんか唐突で押し付けがましかった。
ごめんなさい。
いい俳優さんを使って、丁寧に作られていたと思います。
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