ロープ 戦場の生命線のレビュー・感想・評価
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文化レベルの違いなのか
正直、見る前はタイトルから戦争物のちょっと説教くさい話なのかなと思っていたがそんなことは全くなく良い意味で期待を裏切られた。
原題の「A PERFECT DAY」の方が内容に合ってるし、何故変えた?
政治思想の低い人間にとっては中東?ヨーロッパ?でずっと内戦とかやってるな、なんとかならんもんなのかな、と多少の反戦意識は持ってるが、IS壊滅作戦の映画とか見せられても正直何処かの国のプロパガンダの「勧善懲悪」物にしか見えなくて、本当の意味の戦争が伝わってこなかったりするのだが、この映画は派手な戦争描写は一切なく、地雷に怯えて暮らす人々や、日々の飲み水を確保するために奔走するボランティアを主軸にしたことでよりリアルな戦争が遠い異国の僕にも伝わってきた。
シリアスになりすぎず、ユーモアを交えたこの作品のバランス感覚は凄く好きだし、ここ最近の邦画(お子様ランチのように思えてしまう)と比べると文化レベルの違いに嫉妬する。
デルトロのいぶし銀具合がサイコー。
あの「ショーシャンク」のティム・ロビンスだったんだって解説見てビックリ‼️
紛争国に対し周辺国ができることとは
面白かったなぁ〜
久しぶりに観たティム・ロビンスのボケ担が良かったなぁ
紛争地帯だからこそ、笑いが必要なんだと思わせてくれるキャラクターだった
1995年のバルカン半島で起きていた紛争に停戦協定が結ばれる
そのとき、ある村の井戸に殺された男の死体が投げ込まれていて、腐敗し始めていたため
NGO団体の「国境なき水と衛生管理団」が死体の除去に向かうが
死体を引き上げている最中にロープが切れてしまう
人間は水がないと生きていけない
だから、上水道がない国々の人にとって、井戸とは「命の源」である
その井戸の汚染を除去するということは、その地域の人々の命を救うことになる
そのために、そのNGOでは、プエルトリコ、アメリカ、フランスなどいろんな国の技術者が集まって、試行錯誤しながら汚染を取り除こうとするのだが
様々なところから、想定外の妨害が起きてうまく取り除くことができない
なぜなら、この紛争の根っこにある民族間の対立は
井戸に投げ込まれた死体のように肥大化し、腐敗しており
他国から来た人たちが必死になって、その差別や偏見を取り除こうとしても
上から井戸を覗き込むような
ただの高みの見物でしかない
それでも、様々な障害を乗り越え、人の命の犠牲の上で、ようやく手に入れた希望の命綱をたらし
あと少しで汚染を取り除くことができると思っても
その命綱は、彼らの目の前で無残にも切り取られてしまう
それも、国連軍の手によって
かと言って、周り国々の善意が紛争地帯に対して全く何もできないわけではない
時には不当に捕虜にされた人たちを救い、詰まった下水を直す日もある
それだけでも、彼らにとっては「素晴らしき日」なのである
そして、奥底の深いところで腐ってしまった人種間の対立も、いつか彼ら自身が自分たちの力を合わせ、取り除くことができる日がやってる
周りの国々は、その日が来るのを辛抱強く待つしかない
面白かったのは、国連軍は邪魔者でしかなく、分析官は何もできない役立たずでしかなかったところ
現地の人たちが求めているのは、軍事力よりも、技術力なのである
紛争地帯の話とかニュースでしかわからないし…。
派手さはないけどなんか染み入るお話でした。
親鳥が先か卵が先か。起こってしまった事にみんながいろいろ進んでいこうとするけれど当然いろんな障害が…。やってる本人たちは誰もそれぞれ自分の行動を正としてすすむよなー、と。
人間いっぱいいるから完璧ないちにちなんてないだろ、って思った。
他の方のレビューを見て再考。
予告編とレビューの星の数だけを見て映画館に行きました。
思っていた映画と全く違っていました。
地味な映画だなと。
他の方々の評価が高かったから、あれ、自分の感性ズレてる?って思ってしまいました。
そこで他の方が書かれているレビューを見て、なるほどそういう視点で見るのかと、改めて考え直すことができました。
エンターテイメント性を求める人にはお勧めしませんが、知っておいて損はないと思います。
なかなかいい映画だったのだなと、帰りの電車の中で反省しているところです。
2018年度ベストムービー!
原題は"A Perfect Day"。停戦中のボスニア?で活動するNGOのお話。2018年2月時点において、今年暫定No. 1の映画である。これを観ずして何を観る!?(笑)
*国際協力の仕事に関わった事がある方には、興味深い作品かも知れませんね。異文化に対する理解や距離感、そして何が起こるか分からない状況…うんざり続きの1日に「今日って、完璧!」と皮肉も言いたくなる。
パーフェクトデイ
面白かった
話の起伏は少なく、主人公たちのチームワークによって問題がスムーズに解決するわけでもないが、
楽しめました。
特に、ラスト数分からのタイトル、パーフェクトデイは、
他の戦争映画と違った視点で、戦争の無意味さを感じさせました。。。
ただ、なぜタイトルを変えてロープにしてしまったのか?
あの兵士たちは、どこに行ったのだろう
ため息出るほど、オープニングから悪意出しまくり。戦争に英雄なんて、要らない。戦争なんて、ろくなもんじゃないと云うメッセージで、息もできないほどです。ため息は、出るけど。
本作に細かい説明は不要でしょう。とにかく観て頂くのが、一番です。そして、エンディングの歌に、涙して下さい。地雷を嫌いになって下さい。この世界の片隅で、今も同じようなことは、起きているはず。それでも、今出来ることをするしかない。私達は、過去でもなく、未来でもなく、今を進むしかないのだから。
牛は邪魔するけれど
日常なのに戦場という凄い映画。
戦闘シーンは全くないけれど、これが戦争なのかと何度も唸らされる。
役者も上手いし、ロープだけで引っ張る脚本も良い。バルカン半島の景色も好き。でも、何故ここで戦争?
民族や宗教の対立?やる意味あったのかなあ。映画全体がそんな感じでした。
一筋縄ではいかない。。
映画観賞の度に、「この世には知らない事がまだまだあるのだなー」と感心してしまう事があります。本作でも「国境なき水と環境管理団」の活動を見て、この世にはこういう人道支援に従事している人がいるのだなと感慨深い一方、協力的ではない地元民や国連軍とのやり取りがあり、いくら立派な行いでも、何事も一筋縄ではいかないという印象がありました。ロープはその一筋縄ではいかない事柄の象徴でしょうか。。
のどかな風景だけど戦争中という違和感
天気も良くてのどかな風景が広がっていておばあさんは牛を連れて歩いてるけど戦時中。(戦争は終わってるんだっけ?)足元には地雷が埋まってて、子どもがピストルをもってて、死はすぐそばにある。うっかり景色に騙されそうになる。
そんな世界で今この瞬間にもお金目的でなく働く人達がいる。それが必ずしも報われる訳ではないし、時に矛盾に満ちているけどそれでも働くその原動力って何なんだろう…?
日本ならロープくらいお金さえ出せば簡単に手に入るのに、それが命懸けのミッションになる世界があることを思い出させてくれた映画。
正義も正解も個人の及ばざる未来
良くは知らないけれども「バルカン半島」と聞くと不穏な思いにかられる。そんな場所を舞台にして、且つ戦闘従事者ではない人達の右往左往な物語。
一見退屈。ともかくまったりで近年の戦争映画に馴れた人にはキツイかも。そもそもそういうテンションの映画でもないし。更にはスペイン映画であると言うこと。そう、映画のクオリティを邦画主観やハリウッド主観で観てしまうと見逃してしまう面白さが(戦争映画に面白いは難しい単語だが)詰まってる作品だと感じました。
僕の中ではエンドロール前のプレエンドロールに救われました。
思わず応援‼️紛争地帯の多田便利軒‼️
悲惨さや環境の劣悪度合いだけで比較したら、もっと酷いところも世界には存在すると思いますが、いずれも人間が作り出したことには変わりがないわけです。
でも、ひとかけらの良心が発揮されることで生まれる絆が救いや慰めになることにも変わりがないのだと思います(当事者だけでなく、周囲の人達にとっても)。
国境無き医師団、というのは良く耳にする機会がありますが、このような活動に携わっている方々もいらっしゃるのですね。
ユーモアと嫌みのない正義感に溢れた活動ぶりを、敬意を込めて『紛争地帯の多田便利軒』と呼ばせていただきます。
この様な人達がいる事を知りびっくり
紛争地帯で、暮らす人達の井戸の中に遺体が放り込まれ、それを井戸から出すための事の1日を追った映画なんだけど、まずは、この様な人達がいる事を知り、ある意味びっくり・・・これもまたボランティア的と言うか人に尽くす事や正義感がないと出来ない事だね・・・・
また、紛争地帯に起きる様々な危険やトラブルなど、一体なんの為なのか、何が大切なのか、考えさせられました。
また、本作品、そんなシビアな環境の中で、ある意味主人公達のユーモアを交えて映画の方は、淡々とお話が続いて行きます。
ま、考えさせられるのですが、私的には、いまひとつの内容で、ちょっと話には乗れなかったな・・・・
ま、ある意味、戦争と言うバカバカしさを別の角度から描いているのかもしれません。
絶品でした
良い映画でしたー!!
素晴らしい。
言ってしまえば、
こんなに地味なお話を、
これだけドラマティックになるなんて!
参りました!
深刻な環境下で仕事をする人たち。
あまりに素晴らしい脚本で、
とても長閑でほのぼのとさせる。
しかし、その次の瞬間には、
とても厳しく、
深刻な状況なのだと、
冷水を浴びせかけられる。
その深刻と長閑の間を行き来する。
ラスト、
寓話的なエピソードが、
鑑賞後とても安心させてくれる。
優しい設計。
何が描かれていたのか
ストーリー面白いから観ちゃうのね。感情の動きも、まあ、解るし。
観た印象としては「主人公たちは、いなくても良かったんだ」ってとこなの。寧ろいない方が良いんじゃ。彼らが災厄を招いてるんじゃ。
じっくり観られて良い映画だったな。
何気に映画館に入ったら現時点でベスト!
ベニチオ・デル・トロとティム・ロビンスが出てるという理由だけで内容も評価も何も調べず、買い物ついでに映画館に寄って観てみたら……
めちゃくちゃ面白かった!
面白いと言う表現が相応しいのかどうか分かりませんが、紛争地帯で井戸に放り込まれた死体を引き上げる為の1本の長いロープを探しに出掛けた国際援助活動家たちとロープのある場所を知ってる少年が、向かう先々で難題や辛い現実にぶつかりながらもようやく手に入れたそのロープは…。
そして、原題が「A Perfect Day」の意味は…と考えさせられる内容でした。
一見重そうですが、映画館内は時折クスクスと笑い声が上がるコミカルさ(ティム・ロビンスが面白過ぎる!)もたくさんありオチもしっかりとあります。
音楽もロックです!
現時点で個人的には「スリービルボード」と並ぶ今年度ベストな作品になったので、何気に寄ってみて良かった!得した!と思える作品でした。
とてもよかった
戦争も怖いけど制度やルールが厳密すぎて、誰のためのものなのか分からなくなるのも怖い、というかひどい。そして現場で身を粉にして務めている人は尊くて、現場に携わってないのにその人らに対して勝手なことを言ったり決めたりする人はクソだ。
少年が自宅に戻るが、両親の死体を見ないように配慮してくれて本当にありがとうという気持ちになった。
もし自分の家が戦争で弾が飛んできたり爆破されたら、たまらないなあと思うのだが、それがリアルタイムで現実に起きている地域があることを常に考えていたい。考えるだけではどうにもならないのだが、今の生活が当たり前だと思うのは危険だ。ロープなんてコメリでいくらでも安く買えるのだが、社会が荒廃したらにっちもさっちもいかなくなる。恐ろしいことだ。
そんな折でも、元彼と元彼女で痴話喧嘩するのも生々しい現実なのだろう。
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