カメラを止めるな!のレビュー・感想・評価
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人生の大一番を制すには
上映館数が爆発的に増えた話題作だけあり、心の底から笑って泣いて感動できる、素晴らしい映画でした。
ちなみに、本感想文は完全ネタバレ仕様となりますのであしからず。
最初のノンストップゾンビ映画は、確かに粗っぽいながらも、ワンカットの緊張感が伝わり、普通に面白かったです。もちろん、いろいろ気になるところはありましたが、お腹の弱いスキンヘッドのあいつの存在と、嫁さんが一瞬起き上がる瞬間以外はさほど違和感は覚えず。飛び散った血糊がカメラに着いて、それを移動中に拭うシーンは緊迫感ありまくり。手に汗握って観ました。
そしてその後の制作シーンにニンマリ。特に日暮監督の人柄がよくて、苦労を背負う中間管理職の悲哀がビンビン伝わります。早い・安い・質はそこそこというキャッチコピーは、いかにも中小の下請け感が強く、実に身近(笑)
あと、日暮家がいい感じですね。ひどい葛藤とかがなく、健康的なのが清々しい。父娘の深い断絶があったりするのでは…なんて危惧したけどそんなことはなかった。そして父娘の愛情がラストの肩車につながるわけですから、まー最高ですよ!
主演2人の薄っぺらさも爆笑でした。しかし、そんな2人もこのハードすぎる撮影にプロとして取り組めたため、トラブルを乗り越えて成長できました。その姿にも思わず涙が。
数々の小ネタ、完璧な伏線回収と見所満載の本作。しかし一番の見所は、監督を筆頭にクルーが目標に向かって決して諦めずに進む姿ではないしょうか。
まさに「カメラを止めるな!」止めることは諦めであり、妥協であります。これは生きる上でかなり重要なポイントで、むしろ止めたほうが良いことが多い。諦めの悪い人はその執着心により身を滅ぼしたり時間が止まったりするケースが多いです。
しかし、ここぞという大一番では、それは反転します。止めてはいけない、止められない。やり抜くことがこれまでの殻を破り、K点を突破して新しい世界を手に入れる唯一の方法なのです。
本作はその人生の大一番を描いているように思え、胸が震えました。そしてこれは監督自身の物語でもあるでしょう。上田慎一郎監督は、人生の大一番を制し、本作で新しい世界を手に入れたのだと思います。
カメラを止めるな!この言葉は撮影中に監督が自分自身に言い聞かせ続けたのではないか、なんて推察しています。
本作は、人生するか・しないかというその分かれ道で、「する」のほうを選んだ勇気ある男のドキュメンタリーでもあると感じました。
本作が広く受け入れられている現状は、『この世界の片隅に』のブレイクと同じく、世界は捨てたもんじやないぜ、と思わせてくれます。偉大なる映画でした、最高!
*追記
宇多丸の批評を聴きましたが、まったく同じロッキーの比喩を使っていました。なんかパクリのようで恥ずかしいですが、とりあえずそのままに。
満杯の劇場でこの映画を観られる奇跡
※「追記:『ラヂオの時間』との比較」に加筆修正を加え、レビュー本文中に挿入しました。また、それに伴って本文を「ネタバレあり」に変更しています。(2018/08/23)
ここ1、2週の間で公開規模が一気に広がり、ようやく観に行くことができました。実際に本作を観た経験上言わせてもらいますと、鑑賞するにあたっては、
➀ゾンビ映画を撮影している人たちの話らしい。
➁途中で“何か”が起こるらしい。
➂37分ワンカットのシーンが出てくるらしい。
これだけ知っていれば十分です。いずれも、作品のホームページを見れば、すぐに分かることですが、これ以上は何も知らない方が本作を楽しめると思います。公式の予告編ですら、中盤以降で明らかになる重要なネタを割ってしまっていますので、見ない方がいいです。
ここまでの紹介を読んで興味をもたれた方は、ぜひ今すぐにチケットを予約して、劇場に向かってください。劇場は今が最高にホットな状態で、本作を観るのに最適な環境になっていると思います。満杯の劇場で、たくさんの観客のみなさんといっしょに笑いと興奮と感動を共有することができる──これだけ客席の一体感が味わえる作品も珍しいと思います。「劇場で映画を体験する」というのは、本来こういうことではないでしょうか。
※これ以降は、主に本作をすでに観ている人向けに、もう少し突っ込んだ話をします。直接のネタバレになるようなことは書きませんが、勘のいい人や映画に詳しい人であれば、本作の“仕掛け”について、なんとなく察しがつくかもしれません。未見の方はご注意ください。
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本作を観て真っ先に思い出したのが、内田けんじ監督の『運命じゃない人』です。
内田監督は、後に『アフタースクール』や『鍵泥棒のメソッド』などのヒット作を生み出しますが、13年前の当時はまだ無名の新人監督でした。➀無名の新人監督による超低予算映画で、➁有名な俳優も全然出ていないにもかかわらず、➂数々の映画賞などで高い評価を得た作品である、という意味で、本作『カメラを止めるな!』と『運命じゃない人』との間には数多くの共通点が見られます。
さらには、内容の面でも共通する部分が多くあります。➀どちらもコメディ映画である。➁作品全体に大胆な仕掛けが施されている。➂物語が三幕で構成されていて、二幕目と三幕目で一幕目の意外な真相が明らかになる。
『運命じゃない人』も当時は画期的でしたし、今見返してもとても良い作品だと思いますが、はっきり言って『カメラを止めるな!』の方がはるかに面白いです。以下に、本作が『運命じゃない人』よりも優れている二つの“熱々ポイント”について解説したいと思います。
一つ目は、作品の構造が予算の少なさや役者陣のネームバリューのなさをカバーする造りになっているところです。また、脚本を役者に当て書きしているので、本人のキャラクターが活かされていて、演技がきわめて自然に見えます。
アイデアを凝らすことで、低予算であることを観客が全く気にしなくてもよい、堂々とした造りになっているところがまず素晴らしいと思います。
二つ目は、本作がしっかりと“汗をかいて”作られた映画であるところです。
本作を最後まで観た人であれば、冒頭の37分ワンカットの映像を撮るのがいかに大変であるかがよく分かると思います。気が遠くなるほど綿密に段取りを立て、役者もスタッフも何度も練習とリハーサルを重ねたであろうことが容易に想像できますし、パンフレットによれば、あのワンカットのシーンは全部で6テイクも撮影したそうです。
作品の全貌が見えると興を削がれるどころか、あらためてもう一度見返したくなるのが、本作の大きな強みだと思います。
また、多くの方が本作と「似ている」と指摘されている、三谷幸喜監督の『ラヂオの時間』と比較することで、本作の強みがよりはっきりと見えてきます。
『カメラを止めるな!』と『ラヂオの時間』は、テレビとラジオという違いはさておき、たしかに生放送番組というシチュエーションは共通しています。しかし、両者には決定的な差異があります。それは、作中のスタッフ・キャストたちの番組に対する意識の違いです。
『ラヂオの時間』では、作中のスタッフ・キャストに「良い番組を作りたい」という意識がありません。誰もが番組を最低限成立させることしか考えておらず、ただの辻褄合わせに終始しています。その結果、ラジオドラマはどんどん滅茶苦茶になっていく一方です。演者の単なるわがままや、スタッフのその場での安易な思いつきによって元の脚本が歪められる様子は、今見るとただ不愉快なだけです。
それに対して、『カメラを止めるな!』では、拙い部分や失敗、ハプニングはあれど、基本的には役者もスタッフも「良い番組にしたい」という共通の目標に向かって動いています。そのため、ハプニングや役者のアドリブ(暴走)が、結果的に作品にとってプラスに働いている部分がたくさん出てきます。
上田監督自身が三谷監督の大ファンであることを公言していますので、当然『ラヂオの時間』も意識されていると思いますが、私は、『カメラを止めるな!』の方が、より気持ちの好いコメディ映画になっていると思います。
最後に本作のタイトルについて述べ、本レビューを締め括りたいと思います。
『カメラを止めるな!』には、きわめて困難な撮影に挑む作り手たちが、自らを鼓舞する意味合いが込められているのではないかと思います。何が起こっても演技を止めない!いかに不可能と思える状況であっても決してあきらめない!──そのような決意がタイトルに刻み込まれているように感じるのです。
また、本作のストーリーやその在り方自体がそうであるように、『カメラを止めるな!』というタイトルには、映画に携わる全ての人たちへ向けた「映画を作ることを止めるな!」というエールが込められているように思います。映画に対する力強い賛歌でもある本作が、多くの観客に受け入れられ、多くの劇場に広がっている現状には、思わず胸が熱くなります。
満杯の劇場でこの映画を観られる奇跡を、ぜひ体験してください!
タイトルなし
最高に面白かったです。
最初のワンカットシーン大きなネタ振りだった。
監督家族、一癖も二癖もある出演者達。
ワンカットシーンの中で感じだ色々な違和感。
そしてそれらをワンカットに収めるために今までのネタ振りの怒涛の回収劇が始まっていく。
今までに見た事ないエンターテインメントだと思います。
この映画を見逃すな!
都内たった2館で公開がスタート。
それが今後、47都道府県150館規模へ拡大公開。
とにかく見た人から、大評判大絶賛の声、声、声…。
今年の邦画1番との声も。
ちょっと気になってはいたが、こうなってくるといつもながらミーハー心が高まってくる。
遂に我が県でも公開スタート!
早速、電車に乗って隣町の映画館まで行ってきた!
確かにこの映画、面白い!
あらすじは…
廃墟で低予算のゾンビ映画を撮っている自主映画撮影クルー。
そこは曰く付きの場所で、本物のゾンビに襲われる…。
作品自体も低予算の自主製作映画なので、まあ安っぽい。
粗だらけで、拙い、チープなC級ゾンビ・ホラー。
…でも、ここで見るのを止めるな!
とにかく本作、何の事前情報や予備知識ナシで見た方が面白い!
かく言う自分も、ゾンビ映画風に始まって、意外な構成になるとしか情報を仕入れないで見た。
2段構成。
この映画は2度始まる。
その謳い文句に偽りは無い。
実を言うと、1幕目はひょっとしてこういう事なんじゃないかなぁ…と、うっすら察し付いたが、2幕目からとそれからの展開には唸らされた。
この2幕目はきっと、監督の実体験も織り込まれてるんだろうなぁ、と。
個人的に本作は、3段構成だと思う。
3幕目は、1幕目がもう一度始まる。
で、ここがね、とにかく面白い! って言うか、笑える!
劇場あちこちから笑いの声。自分も劇場で久々に声に出して笑った。
それでいて、1幕目の時違和感を覚えた粗さ、拙さ、チープさがここで活きてくる。
いやはや、見事!
監督もスタッフもキャストも全くの無名。
映画専門学校のワークショップの集まりの熱演。
何より、上田慎一郎監督の演出力、巧みな脚本、大胆な構成…いずれも脱帽!
上田慎一郎。よし、名前覚えた!
本当にこの映画、他は何も言えない。言いたくても言えない。
レビューもひょっとしたらちょっとネタバレしちゃってるかもしれない(念の為ネタバレチェック)。
なので、とにかく見て欲しい。
映画好きなら、もし近くで上映されたのなら、是非劇場でご自身の目で!
絶対、見て損ナシ!
やっぱり映画というのは、話題性や番宣じゃない。
作品そのものの面白さ、オリジナリティー、大胆なチャレンジ力だ。
そんな面白い映画を見た後は、誰もが自然と“いい笑顔”になれる。
作り手側も。観客も。
そんな当たり前の事を改めて思わせてくれる。
この新たな才能に感心して、笑えて、ワクワクウキウキ興奮して、感動もして、痛快爽快!
この映画を見逃すな!
バックトゥザフューチャー超え
☆良かったところ☆
・観客の態度は、図らずも批評家的である。それは、当サイトを利用している段階で前提。とにかく映画作家は、我々観客を、知己に富み厳格なる批評家として丁重に、あるいは挑戦的に扱うべきである。
その厳しい批評眼が見つけた不満「このシーンつまらない」等断片を、まさか本作は、ストーリーの背骨にしている。前半までの観客の苦笑やあくびが、後半、爆笑や感嘆に変わり、背骨が動くごとく力強く映画が動く。
こんな映画他にあるだろうか。(あるとすれば、「バックトゥザフューチャー、パート1」から「パート2」へのあの流れ?)
・知己に富んだ批評家たる我ら観客は、出し抜かれる。大いに出し抜かれるが、裏ストーリー設定がごくごく切実な話なので、ハートウォーミングな方向で終われる。この方向の根本にあるらしき作者の映画愛、ひしと伝わってくる。
・ワンシーンワンカットの緊張感を味わった後、中盤からは今度はカットがスムーズになされ、編集技術の面白さに魅せられる。
映画作法論にはワンシーンワンカット礼賛の向きがどうしてもあるが、そのド根性技術がもたらす、緊張感(メリット)と倦怠感(デメリット)を悪利用、やってのける神経と手管にしびれた。
★悪かったところ★
・この仕掛けは、成功しているにしても、作為性が過ぎる。
その理知は、絶句するほど作為的。二度と真似してはいけないことをやった。
・研修として作られたのかと思うが、そのせいでかどうしても、あらゆる演技が粗い。が、この映画の評価にそんなこと持ち出すのはヤボいようだ。
「がむしゃら」が胸を熱くする!!
いやーなんて言うのかな、取りあえず一言、やられた!!っていうのが感想。
ちょっと怖くて大爆笑して最後は胸がジーンとして。情熱が人を動かして、皆ががむしゃらになってひとつのことをやり遂げる。
最後は思わず拍手しました!
大多数の人がそうだったと思うが、「ゾンビ映画を撮ってたら本当にゾンビに襲われちゃったという設定の映画を撮ってるヤツらの話」ってとこまでは、情報は入ってきてた。
ここから先がどうなるのか。
妄想と期待でパンパンになった自分をいさめるように、あまり期待しすぎない方がいいぞ…と身構えてました。
ほら、案の定撮影をめぐってのよくある内幕ドラマになりそうだぞ…
と思っていたら!
あのゲロが、あの「ちょっと」が、あの棒読みのセリフが、あまりにも唐突だった「ポン」が、バイオレンススイッチ入っちゃったメイク役が、定点カメラが、あぁ、こういうこと!っていう大爆笑の渦に!
いやびっくりしました。
そしてまさかの肩車で最後ホームドラマになっちゃうんだもん。
不覚にも泣けた!手抜きのない伏線の回収!
人生を諦めた父親と人生を諦めていない娘と。誰かの一生懸命さが現場に伝播する瞬間と。多少の青臭さがあったけど、素晴らしい。
映像コンテンツが手抜きの流れ作業になって、制作サイドは締切を間に合わせることが大人だと言われるようになって。
イメージ戦略だけを考えてるアイドルが事務所のごり押しで主役になって…。
演じ手の都合で脚本が書き換えられて…。
そんな芸能界の風潮に渇を入れる作品でもありました。
監督役の俳優さんの鬼畜ぶりとペコペコ演技のギャップ、プロデューサー役のおばちゃんがツボでした。才能のある無名の方が、こんなに輝ける作品に出会えて良かった。
あの、皆の最後の笑顔は本物かもしれないね。
夢のある話
映画人の気持ちとテレビ人の気持ちと、親父の気持ちと、娘の気持ちと、いろんなひとの事情と気持ちが、化学反応でどっちかというと(?)暴発して、
それでも美しく爆発してました!
やー、かっこよかったし、泣けました!
前半のワンカットパートもよかったし、後半のネタバラシも、映画を通してみんなの夢が叶っていくところが最高に泣けて笑えました!
インディーズ映画、自由でエネルギッシュでほんと楽しいです。それが広まるきっかけにもなればいいな!
構成のうまさが際立つ
観てて「すげえ面白え!」って興奮する感じにはならなかったんだけど、振り返るとジワジワ面白かったなあって思うんだよ。
『ゾンビ映画を撮影してたら、本物のゾンビに襲われた!』って話が進んでって、まあ普通と思って観てくんだけど、途中で「これワンカットで撮ってる」って気付くのね。で、これが《One Cut of the Dead》ってタイトルの劇中劇。普通に「なんとワンカット!」っていうありがちな宣伝文句で公開して、まあ納得のできだと思う。
《One Cut of the Dead》が終わると「実は、この撮影の裏側はこうなってました」って感じで《カメラを止めるな!》が始まってって、「そういうことか!」ってなって、アハハハってなるんだね。
ENBUゼミナールが提供するレベルでなら十分に面白い《One Cut of the Dead》を準備して、更にそこに一捻り入ってくのが凄いなあと思った。
《カメラを止めるな!》の劇中劇で《One Cut of the Dead》があって、更に《One Cut of the Dead》の中でも映画撮影してるから《One Cut of the Dead 劇中劇》があんのね。三重構造が絡まって作品になってるから面白いの。
複雑な仕組みを作る中で伏線はって回収してくんだけど、これをキャラクターの特徴からくる無理ない設定でやってくのがうまい。だから強引な感じがしないんだよね。
「妻が突然出演!」「娘が途中から仕切ってる!」「突然『ちょっと』って人が外に出てく」「ダサカッケー撮影やりたい助手とやらせないカメラマン」ってところも、キャラ設定のうまさで納得の展開。
それでストーリーの太い線には、さりげなく父と娘の物語が入ってる。「ライブでワンカットのゾンビ映画なんて仕事受けないでしょ」ってところや、「なんで撮影現場に妻と娘いるの?」も父と娘の関係の中で自然に流れてる。ラストのクレーンのところでも写真出してきてうまい。
これK's cinemaとかで何も知らない状態で観たかったな。「面白い!」って聞いてたらからハードル上がってて、そこを越える感じではなかったから、観てるときはちょっとモヤモヤは残った。
観終わって色々考えると、改めて面白い映画だったなあと思ったよ。
そこまで面白いとは...
あー、映画を撮ってる設定なのね。そう言う裏側があったのね、って展開が続くけど、絶賛するほどの内容?ってのが正直な感想。
伏線拾ってるって言うけど、そんなに意外性のある伏線あったか?
ベタで分かりやすいのがむしろ受けてるのだろうか。
面白い
確かに観た人が、多くは語れないけど面白い! とにかく観て欲しい、というのがよくわかった。
ゾンビ映画かと思いきや、家族愛の映画だったりするところが、また凝っている。
映画を裏側から観れた感じで、よく出来ている。エルキュール・ポアロのような、アガサ・クリスティのミステリを、読み終わった時のような、すっきり感が終了後に味わえた。前半全てが伏線で、綺麗に全て回収していく爽快感は、楽しすぎ。
「ちょっとは、ちょっとなんだよ!」「離せー、ウギャー!」的なカットは久々の名シーンだったなぁ。
何の先入観も無くネタバレも読まず観に行って欲しい
最初はつまらないなーと思って観てましたが、後半からの面白さがとにかく凄い!
前半に不可解に思ったことには全部理由があり、ストーリーの緻密さに感動しました。
何も知らずに観てよかった。
前情報無しの方がいいと言われたので前情報なしで観ました。
なんかゾンビ映画らしい。ってくらい。
ゾンビ映画部分は
なんか変だな〜自主制作感が凄いな〜
と違和感を感じまくったんですが
1か月前~撮影までの部分で
腰悪いカメラマン
自分も撮影したいカメアシ(こういう子いる!!ってめちゃくちゃ思った)
などなど
「あれあの違和感はこういうことか?」って予想できる部分が出てきて
ネタバレ部分で
「やっぱそうかー!」って笑えた。
自分自身が映像の専門学校行ってたり、ちょっと映像の仕事関わってたりしてるのもあってか
プロデューサーの感じとか、役者とスタッフの関係とかは「いるよねー」って感じの人も多くてリアルさもちょっと感じて面白かった。
個人的には凄く好きだったし、何も知らない人を連れて行ってもう1回観るのも楽しそうだなと思う。
ただ感動とかは特になくて「面白いなー」「楽しいなー」に尽きる。
テレビとかでもPRあったみたいなんですが、そういうのも全部見てない状態で観たのはラッキーだったかも。
本当のメイキングみたいなって思ったので、エンドロールは嬉しかった。
映画愛に溢れてる!
ゾンビ映画好きかつB級映画好きの私にはたまらない仕上がりでした。
業界の人も好きだろうな。
構造が斬新で、めちゃめちゃ巧妙なのでその仕掛けに誰しもが笑うであろう。
新しい鑑賞体験だった。
ぱっとしない、もしくは残念な、いけ好かない、それぞれに個性的な登場人物達の歯車が絶妙に噛み合っていき、(いや、噛み合わなくても無理やり誰かが回してくといった方が適切かw)エンディングへ向けヒートアップしてゆく快感。
作品制作における業界事情への皮肉もたっぷり込めつつそのネタもきっちり笑いに昇華させて回収するところが、B級映画ファンとしては拍手喝采どころだった。
ワンカットの躍動感すげー!と感動させつつも更にオチがあったりして。笑
作品の構造的にもリピートしたくなる。大ヒットのわけがよーくわかりました。
最後まで見逃せない
37分ノンストップということで、ミスできない中で撮る映画はどんなものなのか気になり見ました。
ゾンビ映画と聞いていましたが、ただのゾンビ映画ではありません。
冒頭から37分間、なんてつまらない映画なんだろうと正直思い、これを高評価してる人とは全く合わないなとすら思いましたが、37分を超えたところからこの物語は本当のスタートだと思います。
出てる人みんなキャラが濃くて、全く見逃せない作品です。
こんなに映画館で大笑いしたのは初めてでした。
会場の人たちも大笑いで、これは今までにない作品でした。
本当にノンストップで撮っている上にその撮影裏の流れまで撮っていて、これはプロの技ですね。
映画館に足を運んで早く見て良かったです。
今年の邦画ベスト級だ!!!
ネタバレをするなという方が無理。公式の予告編がもうバラしているし。
映画はメタ構造のメタ構造。三谷幸喜テイストのゾンビ版『ロッキー』であり、ゾンビ版『蒲田行進曲』である。序盤の寸劇が後半の大仕掛けへつながる見事なトリック。説明台詞や後出しジャンケンに頼らない伏線の回収は見事だ!!
なかでもラストのアクロバティックな決着はとてもエモーショナル。そして2回目以降はきっと泣きながら笑うのだろう。キャストやスタッフが無名でも、著名な原作や莫大な資金がなくても良質な映画が作れることを証明した怪作。
ワンカットワンシーンが良かった。
劇中劇を軸にした物語。
演劇っぽい構造で、とても良くできた作品だと思う。途中、三谷幸喜の「ショーマストゴーオン」を不意に思い出したのは、きっと舞台裏にスポットを当てた物語だからなのだろう。
最後、一丸となって窮地を乗り越えるシーンとかも同じような感じ。
そうやって考えると、シナリオに関しては、ショーマス超えしている様な気がする。
評価が4なのは、映画は総合芸術だからシナリオだけで評価はできないと思い、役者面で0.5マイナス。あと、昔ブレアウィッチプロジェクトでも起きた車酔い事件。カメラが揺れ過ぎて直視できなくなった苦言でマイナス0.5です。
驚き
最初はなんて映画を観てしまったんだろうと、がっかりしていたのだけど、
あれ、、、ちょっとまてよ、、、ん?、、、、あれ?、、、、、おもろーーーーーーーーーー!!!
ってなりました。
あんなに劇場中で笑いが起きていたのは初めてでした。
クスクス笑っている映画はよくあったのですが、
おばちゃんや、おじちゃんの笑い声が激しくて驚きました。
また映画自体が本当によく出来ていてビックリ。
あの30分ごえの長回しが凄いし、その背景を描く場面がめちゃくちゃ面白くて、映画づくりってこんな物なのかと勉強にもなりました。
いちばん笑ったシーンは小屋で女優の子が口を手で押さえて震えているシーン!!
ずっとなんであんなに怖がってるのか、気になっていたんですが、カンペを出すシーンだった事が分かった時は一番笑いました。
あとはアルコール中毒のおっさん、初めはあんなに激しく動くゾンビいるかよ!となんだか怒りさえ覚える感じだったのですが、アルコールのせいだと分かってからは面白くて、
シュールなのがとてもハマりました
このような素晴らしい映画がまた見れたら嬉しいです
王道ゾンビではないが…
あからさまにゾンビをネタにしたゾンビ映画だということは分かるし、ゾンビというだけでチープ感すら漂う。だが、この映画、チープなゾンビだけじゃない。ゾンビをネタに映画を制作するクルー達の様子こそが実に面白いのだ。
まず、この映画の構成が面白い。最初に出来上がったゾンビ映画を流してからのネタバレ。何でこの映画を撮ることになったのか〜、などなど。だから、『終わってから始まる』なのである。最初に流れるゾンビ映画部分は普通であるし、割と短い。「ふぅぅ〜ん、なるほど」って感じで、さらっと終わってしまう。ところが、エンドロールが終わった後もまだ映画は続く。今まで観ていた部分はカメラが映したフィルター目線の表部分だったのが、映画を撮っていたカメラを追ったまた別のカメラに目線が変わっていく。次の主役はキャストではなくクルーに移っていく。
私は観る専門で、撮る側の経験はないので、この作品の登場人物達のいちいちがとても面白くて、トラブルが重なる程にテンションも上がっていくのが、「映画ってライブだよなぁ〜」ってワクワクして観てました。実に三谷幸喜っぽい。
劇場で観る時は、『私を試すもの』として観客目線で触れているものが、主観が制作者にあることで、自分も観客ではなく作り手の主観になって、無事撮れるのか追っかけているように錯覚してしまうくらい引き込まれる魅力がこの作品にはあった。映画を撮るって簡単じゃないことがつくづく分かる。試行錯誤している姿を映すことで、映画を愛する全ての人たちが共感やオマージュを感じられるのが何より素晴らしいと思いました。
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