劇場公開日 2018年6月23日

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「全体構成の魅力的な作品だが、更に、ワンカットシーンとメイキングシーンは別々に撮られたものと想像すると…」カメラを止めるな! KENZO一級建築士事務所さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0全体構成の魅力的な作品だが、更に、ワンカットシーンとメイキングシーンは別々に撮られたものと想像すると…

2024年7月6日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

多分、公開年以来の再鑑賞だったが、
全体の構成などもすっかり忘れていたので、
それなりに新鮮な気分で
楽しまさせていただいた。

今回の鑑賞では、
公開当時に話題になった劇中劇設定と、
「1917 命をかけた伝令」のような
ワンカットの撮影手法のことではなく、
この作品の物語性そのものに
注目して観始めたはずだった…しかし…

改めて鑑賞して感心させられたことは、
前半の劇中劇編がほぼワンカットなので、
そのための緻密な計算と準備が
相当のものだったと想像すると同時に、
後半のメイキング編が
前半の場面と、映像的に
本当に合っているのかの確認のために、
実は、前半とは真逆に、
それこそ何度も繰り返し撮影したのでは
なかったかと想像したためだった。

つまり、前半のワンカットシーンは
後半のメイキングのシーンと
同時に撮られたものでは無く、
この二つのシーンは別々に撮られたものと
想像せざるを得なかったので、
もしそうだとしたら、
この作品の製作には相当な労苦が
秘められていたのではなかったろうか。

また、後半のメイキング編では、
実は想定違いが二重にあったと明らかに
されると共に、
観客は前半の劇中劇に
その結果の映像が散りばめられている事も
突き付けられることになった。

物語性がどうのこうの以前に、
やはり、全体の構成の妙が
実に魅力的に感じる作品に思えた。

KENZO一級建築士事務所