「確かに面白いけど」カメラを止めるな! プライアさんの映画レビュー(感想・評価)
確かに面白いけど
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廃墟でのゾンビ映画の撮影でパワハラ監督が若い男女の俳優に怒鳴り散らす。
そして休憩に入り、監督は密かに血の儀式を行ったことでゾンビが現れる。
撮影現場は曰くつきのゾンビスポットだったのだ。
やがてゾンビ襲来、スタップ2人が噛まれてゾンビになる。
必死で戦う主人公男女とメイクさん。それを狂気で撮影し続ける監督。
やがて女優が足を噛まれ、ゾンビ化を疑ったメイクさんに命を狙われる。
やむを得ず男優がメイクさんを殺すが、男優もゾンビ化してしまう。
仕方なく女優はその男優を殺し、一人生き残る。
とここまでがこの映画の中のドラマ撮影の内容である。
このドラマはまさかの生放送・カメラストップなしで行われてた。
そしてその裏側が次々と明かされる。こんな感じ。
・事故で来られなくなった女優に変わり監督の妻がメイクさん役で出演してた
・妻は役に入り込んでしまい台本無視するから、気絶させたりして何とか撮影
・監督の娘が映画監督死亡で、トラブルに天才的対処を見せた
・若手の人気俳優男女に監督がキレる演技は実はアドリブ(そして本音)
・カメラマンが気絶し、途中から見習いが撮影
・出演者がアル中で、周囲が何とか支えて演技させてた
・出演者が下痢になり一時退場、台本を書き換えてゾンビ化して再登場
・クレーンが壊れたため、急遽スタッフで組体操のピラミッドを作り撮影
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裏方の必死の連携とアドリブによって何とかなった。
そのバタバタが喜劇なのだが、ちょっと感動もする。
きっと本当の生放送の現場もこれに近い感じなのだろう。
苦境の中でみんなで最善を尽くし、魂込めて作ったドラマ。
多少の出来の悪さはあったとしても、それは価値あるものだと思う。
俳優陣は無名な人ばかりだが、みんな味のある演技をしてると思った。
ただ、世間で大騒ぎしてるほどではなく、普通に楽しい映画だった。