劇場公開日 2018年6月23日

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「こんな面白い映画、ほんとうに久しぶりかも。」カメラを止めるな! お水汲み当番さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0こんな面白い映画、ほんとうに久しぶりかも。

2020年7月19日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

制作費300万円弱というこの映画が、新宿の大箱を満席にしているのを見て、しかも観客が心から面白がっていた様子を見て、速報サイトで驚きの成功の予兆も当然かも知れないなと感じたのでした。
(全国の公開映画館で、なんと70%もの客席が売れていた!
まったくありえない高数字)

私が言いたかったことは、すでにすべて他の方が書いているので省略し、この映画が成功したポイントについて、感じたことを書きたいと思います。

低予算でありながらも大成功を収めたポイントのひとつは、ヒロイン役と、重要な脇役である「お母さん役」に、それぞれ芸歴が長く、しかも下積み生活が長くても腐らずに勉強を続けてきた二人の女優を据えた点だと思いました。

たとえば、出演者の打合せのシーンで、ヒロインの秋山ゆずきさんが、事務所の方針なのでちょっとそれは……と婉曲に断る時の迫真の演技など、これは絶対に素人にはできない名演技で、経験者によるリアルを実感させられました。

お母さん役のしゅはまはるみさんも、実際に映画の役柄通りに干された経験をお持ちなのだろうなと思える、しかしそれでも勉強することを続けてきた人としての、骨のある演技を楽しませてくれました。

優秀な海外販売エージェントを見つけ、ぜひアメリカにも上陸し、来年のアカデミー賞まで狙って欲しい、そんな作品だったと思います。
(ただし英語圏の市場特性を考えるなら、絶対に吹き替えで公開すべき)

絶対に楽しめる、今年最高の映画だったと感じました。

なお、最大の勝者は、品川の映画スクールだったりして。
これだけ無名の実力者を育て上げられたというのは、ダテじゃないでしょ。

ps. なんだかんだで、本日、2度目の鑑賞に行きました。リピーターとして観ても新たな発見がいっぱいあって楽しめました。
メチャクチャな映画ですが、これで制作費わずか300万円なんですからねぇ……。

お水汲み当番