「最初で最後として許されるワンカットに纏わる喜劇の快挙」カメラを止めるな! 十二滝わたるさんの映画レビュー(感想・評価)
最初で最後として許されるワンカットに纏わる喜劇の快挙
久々に面白いと思う喜劇を見た。二重劇のシナリオは有りがちなものだが、ワンカットをテーマにドタバタの演出をあらかじめに計算したシナリオだ。
スターウォーズの画面上方から次第に巨大な宇宙船が画面全体に広がるオープニング画像やインディジョーンズの心理的な時間差の表現のように、二番煎じはあり得ない最初試みの成功が、この二重劇の映画をヒットさせた最大の理由であろう。
ワンカットのストーリーの途中に、カメラが被写体から他の被写体に宙を舞って移動するのはワンカットの考えから外れるのではと思って見ていたもの答えや監督役のカメラ目線の疑問や、やけにながい間の取り方などなどが、後半の種明かしで明かされるといった小技も面白い。
監督役の家庭や有りがちな演出者の曲者ぶりをもパロディにして、撮影や演出の未熟さをも喜劇に取り込み、時間を忘れて一気に見させる。
最後のカットの娘の肩車写真までもが、落ちに落ちてる。
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