「十年に1本の感動作!思わぬ拾い物でした!だから映画を観るのは止められない」カメラを止めるな! Ryuu topiann(リュウとぴあん)さんの映画レビュー(感想・評価)
十年に1本の感動作!思わぬ拾い物でした!だから映画を観るのは止められない
こんなアホ臭い映画めったにあらせんでー!!
もう観た後、一週間は思い出し笑いして楽しめそうだから、安いもんですわ!!
こう言う映画をホントは最高のエンタメと言うんのかも知れんですわい!
監督初め制作者諸氏には、大変申し訳ないのですが、私、勝手に本作をB級映画扱いしていますが、B級作品にはB級映画として面白さが有って、これぞ「ザ・B級映画の王者・チャンピオン」とでも言うべき今年の傑作作品ですヨ! 劇場を後にする時には、ホンマにルンルンでした。
前半のワンカットだけの長回しのゾンビ映画の撮影シーンには正直、長くて飽きてしまったのも事実だけれども、後半の撮影の裏事情を作品のメイキングのような形で!本の作品として作り込んでしまった事は、お見事でした。
前半がアホでチープなゾンビ映画の制作シーンであれば有る程にそれが、更に後半の面白さに続いていく楽しさが有る。
ゾンビ映画が後半で巧みに生かされて来るこの構成が素晴らしいね。
基本、チャップリンが語っている様に、人を笑わせる喜劇程難しい事はないのですからね。
話が変わりますが、最近観た「あいあい傘」は予告編に一番のクライマックスシーンを出してしまって、本編を実際に観ると出がらしの番茶の様に、予告編以上の感動が得られない。予告編に騙されたって気持ちになる作品で残念でした。
「コーヒーが冷めないうちに」も同様にお涙頂戴映画で、泣かせる事が前提に有って、逆にシラケて感動は遠のいてしまうような悲劇よりも、本作の様に笑える映画の方が観る価値は有るように思います。
笑い過ぎると人間涙がやはり出るものです。悲劇で泣かせるのは簡単でも、人を笑わせ、喜劇作品で泣かせる様な笑いを誘う作品を制作するのは難しいものです。
しかし、以外にも私は本作のラストである写真のアップが映された瞬間に涙が急に込み上げてきたのです。自分でも急に泣いている事が以外で不思議でしたが、これは立派な父と娘の愛の物語で感動しました。
ワンカットの長回し作品で始まる本作が、ラストに1枚の写真のアップを挿入するだけで、登場人物の優しさ、愛の総てを表現している、本作は何とニクイ作品でしょう!
本作は丁度、小津監督の「東京物語」で笠智衆が妻を亡くした夜明けに、高台で昇る朝日を観て「今日も暑うなるなぁ」と言う一言のセリフで、主人公の孤独感、生命の儚さ、別れの辛さ、人生の無常と、妻と暮らした全ての時の終わりを迎えた瞬間の万感の思いのたけの総てを表現させた感動に似た物が有りました。
散々笑って、笑わせて、楽しませ、さらりと泣かせる、これこそ映画のマジックと言うべき作品でしたね!
思わぬ拾い物をした感じで嬉しい作品に出会えて本当に感謝しています。
映画って本当に素晴らしい良い物ですね!だから本当に、映画を観るのは止められない!