「バブル崩壊後の日本」カメラを止めるな! ミカさんの映画レビュー(感想・評価)
バブル崩壊後の日本
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映画監督日暮のキャッチコピーである「早い・安い・質もそこそこ」は、バブル崩壊後からデフレ、今に至るまで日本人が商品やサービスに求めた続けたことです。だけど気がついてみたら、デフレは商品やサービスだけではなく人にも適用されてしまいました。自営業もサラリーマンも多くの人がデフレ化されました。私は、まるで買い叩かれたモノの様に扱われている。虚しい。悔しい。辛い。
日暮は、人生虚しいと感じているけれど、とりあえず周りに合わせて愛想良く振る舞います。嫌な仕事も引き受けます。いい人です。そんな日暮は、昨今の日本人の象徴の様に感じました。だからこそ、こんなにも皆の共感を生むし、大ヒットしたのだと思います。
第二幕、日暮は逆襲に出ます。日暮は安く買い叩かれる様な男ではありませんでした。俳優やスタッフをまとめて危機を脱します。そう、第二幕に感動するのは、日暮を自分自身に重ねて観ているからなんですよね。目が生き生きとしてやる気がみなぎってきた日暮は、第二幕の人生を生きている私。私はいつのまにかスクリーンを通して、自分自身に声援を送っていることに気がつきました。この作品は、全てのうだつの上がらない日本人への声援なのでしょう。
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