「もう手放しで絶賛する!」カメラを止めるな! bloodtrailさんの映画レビュー(感想・評価)
もう手放しで絶賛する!
3回目で気が済んだかなぁ。
この映画は、一つの世代から次の世代に「自分の殻を破れ」と言ってる映画。でした、っと。4回目はDVDで見る!
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『Show Must Go On』に情熱を傾けた人達の奮闘を監督親子を中心に描いたドタバタ劇。
丸っ切り三谷幸喜だと言われれば、その通り。しかし世の中に溢れる類似主題の中で、こいつのダイナミズムは群を抜いて面白いし、何と言っても泣ける。
娘のまおが、途中から全てをかっさらって行くのはお約束だろうが、スタッフTシャツに着替えてる余裕、無いでしょ。割と緻密に作られてたので気になりましたが。。。こいつまで伏線だとは夢想だにせず、というか考える間もないドライブ感。
長いものに巻かれる父親の姿。母親の気質を引き継いだ娘の心は、ここで奮い立ちます。いや、元々比熱低くて沸騰している精神は、ここで冷静さを取り戻すのか。
こっから物語はクライマックスに向かいますが、涙の親子愛の雰囲気は、この時点で一切無し。動ける人とゾンビを集めてゾンビラミッド、一丁上がり!っと思いきや、強引に肩車で被さる父娘。そのピラミッド、今学校では禁止されてまーーーーす!が、30分一発勝負は情熱で乗り切った。
「お父さん、私、この写真を見て思いついたんだ」、のセリフはぐっと飲み込み。まおは、台本に貼り付けてあった写真、そ、アル中役者を真似て父親が前夜はりつけた写真を、そっと父親に差し出します。そうか、このシャツでなければならなかったんだ。。。。
『カンペ』と言う魔法のアイテムが、この映画を救ってます。脱線を修正、矛盾を解決、ついでに笑いも取れる!
なお、二度目の鑑賞は最初の37分間、爆笑を堪えるのが苦痛の模様。私は、ケガを心配し合う場面で腹筋痙攣、汗ダクになりながら爆笑を堪えました。
以上、ちょっと真面目に付け足した感想ですが、やっぱりふざけてる俺は、3度目にも出かける予定!
ついでに言うと、主演女優は娘のまおだと断言できない人は、もう一度観にいってはどうでしょうか、って思います。
ーーーーーー以下追記ーーーーーー
この映画は『自分の殻を破った人達のお話』
頭でっかちから脱却して成長した若手男優
アイドルから脱却して(結果的に)演技にウソの無い女優になった女の子
助手からカメラマンになった女子
問題は日暮ですね。
「そこそこ」の殻を破ろうとしたが破れなかった。。。。と思いきや、いつの間にかTeamのTシャツに着替えていた愛娘の後押しで殻を破ります。ここが泣かすなぁ、って思いました。
なお、エンドロールのクレジットに出てくる「上田朔太郎」が監督の御子息だとすると、この映画は明確に子へ送った作品ってことになり、メッセージは「自分の殻を破れ」。決して深読みじゃなく。
===(こっから下は旧レビュー)=======
一体全体、何ですか、これ?舞台設定もストーリーラインも初体験。手放しで楽しい。上映後、館内で拍手が起こったが、こんなの過去一度しか経験がない。
ビハインド・ザ・スクリーン移行後は、少し弛めて、伏線仕込んで、いざ本陣。フリン役者は事故不着。監督妻子の飛び入りに、一升ビンで役者は揃い。三十分一本勝負のゴングはなったーーー!
開始と同時に加速度最大、怒涛の回収。アドリブ、アル中、不可抗力。期待に違わぬシナリオ崩れに、映画女子の血がたぎる。切れた女優のオーバーランは、お約束のギャグゥでネタ連発。ピラミッドは諦めの悪さかプロ根性か。タテのものをヨコにしたら、親子愛でハッピーエンド。この落とし前は予測だにせず。
素晴らしかった!何度でも、何度でも、手放しで絶賛しまするーーー!