「笑い死ぬかと思った(笑)」カメラを止めるな! flying frogさんの映画レビュー(感想・評価)
笑い死ぬかと思った(笑)
何を書いてもネタバレになりそうなのでネタバレ表示で。
とにかく後半は笑いすぎで本当に過呼吸になりかけた。笑い死ぬかと思った(笑)
最初の30分(第一幕)は1カット長回しのゾンビ映画。
次の30分(第二幕)は時間を遡ってこの映画の製作準備。
最後の30分(第三幕)は、最初の30分の映画のドタバタ舞台裏。
端的に言ってそういう構造の映画。
最初の1カットゾンビ映画も、ゾンビ映画を撮っていたクルーが本物のゾンビに襲われる、という構成なので、つまりこの映画、メタにメタを4重くらいに重ねたメタメタな映画なのだ(笑)
ここまでメタ構造を重ねた映画って、ちょっと記憶にない。
ここまでメタを重ねると、ふとメタとリアルな世界(映画内での)の区別があやふやになってしまい、ついあのシーンは組体操で撮ったのか、みたいな錯覚をして「んなわけあるか!」と1人ボケツッコミをしてしまう(笑)
小説ではメタをメタメタに重ねて何がリアル(小説内世界での)か分からなくしてしまう構成の作品はちらほら見かけるが、映画でここまでやったのは記憶にないなぁ。
で、その第三幕で見せる笑いのネタは、いわばドタバタ楽屋落ちであり、言ってみれば低俗なものなのだけど、それだけにそのおバカ加減を存分に心置きなく笑える。
第一幕はいわばかなりデキの悪いゾンビ映画なのだが、これが「ワンカット生放送のテレビドラマ」という設定も上手い。
いかにも不自然なシーンも編集できないから、第三幕に向けてのネタをたっぷりと仕込めるというもの。
役者も無名の人ばかりだが、みんなたいしたものだ、と思う。
ちゃんと「メタ第何レベルか」を演じ分けてる。
「ゾンビ映画+楽屋落ち」という構成は、CMや予告編を見ただけで素直に分かるので、読むも読まないもないのだが、この斜め上のネタは読めないわ(笑)
「画面の外で何が起きてるか」で腹の皮が捩れるほど笑わせてくれた、観客を楽しませることに徹した良い作品だった。
たっぷり笑わせてもらいました。ありがとう!