「「がむしゃら」が胸を熱くする!!」カメラを止めるな! REXさんの映画レビュー(感想・評価)
「がむしゃら」が胸を熱くする!!
いやーなんて言うのかな、取りあえず一言、やられた!!っていうのが感想。
ちょっと怖くて大爆笑して最後は胸がジーンとして。情熱が人を動かして、皆ががむしゃらになってひとつのことをやり遂げる。
最後は思わず拍手しました!
大多数の人がそうだったと思うが、「ゾンビ映画を撮ってたら本当にゾンビに襲われちゃったという設定の映画を撮ってるヤツらの話」ってとこまでは、情報は入ってきてた。
ここから先がどうなるのか。
妄想と期待でパンパンになった自分をいさめるように、あまり期待しすぎない方がいいぞ…と身構えてました。
ほら、案の定撮影をめぐってのよくある内幕ドラマになりそうだぞ…
と思っていたら!
あのゲロが、あの「ちょっと」が、あの棒読みのセリフが、あまりにも唐突だった「ポン」が、バイオレンススイッチ入っちゃったメイク役が、定点カメラが、あぁ、こういうこと!っていう大爆笑の渦に!
いやびっくりしました。
そしてまさかの肩車で最後ホームドラマになっちゃうんだもん。
不覚にも泣けた!手抜きのない伏線の回収!
人生を諦めた父親と人生を諦めていない娘と。誰かの一生懸命さが現場に伝播する瞬間と。多少の青臭さがあったけど、素晴らしい。
映像コンテンツが手抜きの流れ作業になって、制作サイドは締切を間に合わせることが大人だと言われるようになって。
イメージ戦略だけを考えてるアイドルが事務所のごり押しで主役になって…。
演じ手の都合で脚本が書き換えられて…。
そんな芸能界の風潮に渇を入れる作品でもありました。
監督役の俳優さんの鬼畜ぶりとペコペコ演技のギャップ、プロデューサー役のおばちゃんがツボでした。才能のある無名の方が、こんなに輝ける作品に出会えて良かった。
あの、皆の最後の笑顔は本物かもしれないね。
受け取り方は人それぞれですから。
ゾンビ映画だけで比べるなら、私もゾンビランドやゾンビーノの方が面白いと思いますけど、この作品は映画愛に溢れたいい映画だと思いました