「勇気と誇りを胸に」オンリー・ザ・ブレイブ しゅうへいさんの映画レビュー(感想・評価)
勇気と誇りを胸に
Amazon Prime Videoで鑑賞(レンタル・字幕)。
史上最悪の山火事に立ち向かった20人の消防士たちの、熱き真実の物語…。「炎は怖くない。恐れるのは、愛する人の涙だけ。」と云うキャッチコピーにしびれました。
アメリカの山火事の様子はニュースなどで目にするものの、その実態については理解出来ていなかったな、と…。天候に左右されるため、炎の流れを常に読まなければならない。時には予想を遥かに越えて、火災が拡大していくこともある…
そんな現場の最前線に立って消火活動を行う消防隊を「ホットショット」と云う。彼らが最後の砦となり、被害を最小限にするために奮戦する…。山火事は水で消すのではなく、防火帯を掘って迎え火で消化すると云うことを知りました。
「グラネット・マウンテン・ホットショット」の指揮官マーシュ(ジョシュ・ブローリン)を中心に、自堕落な生活を送っていた青年の葛藤と成長、チームの絆、家族愛にまつわる人間ドラマが展開され胸に迫って来ました。
男たちの体育会系なノリに笑い、炎に懸命に立ち向かう姿に心が震えました。その帰りを待つ家族や恋人たち―その心境や如何ばかりか?―時にはぶつかってしまうこともあるけれど、だからこそ絆が強固になっていく…
様々な現場で成果を挙げていく彼らでしたが、史上最大の山火事―ヤーネルヒル火災が発生。勇躍出動した彼らを襲う悲劇へのカウントダウンが始まってしまうだなんて…
ラストシーンでは涙を禁じ得ませんでした…。予想だにしない結末だったので、一瞬呆然としてしまいました。エンドロールでの追悼と鎮魂の言葉にも泣かされました。遺された者の役目は、彼らの勇気と誇りについて考え、魂を継ぐこと…
[余談]
指揮・命令系統の混乱、各部隊との連携の甘さが招いた悲劇ではないかなと思いました。その後の現場ではどうなったのでしょうか?―今回の教訓を得て、なんらかの改善策は講じられたのでしょうか?―非常に気になりました。
※修正(2021/12/03)