アイリーン・グレイ 孤高のデザイナーのレビュー・感想・評価
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弛まぬ向学心
「ル・コルビュジエとアイリーン追憶のヴィラ」を観たのだが天才がやっかむほどの才女アイリーン・グレイさんの凄さが今一、解り辛かったので姉妹作の本作を観てみようと思いました。
椅子に28億円の値がつくことも驚きですが家具デザイナーを目指した動機がパリ万博で日本の漆工芸に魅せられたというのは意外でした。しかも漆器は菅原誠三、織物はモロッコの現地人など本職直伝での技法の会得に彼女流の学びの才能が見て取れます。建築も製図を教えたのはル・コルビュジエ、彼のもとで働くうちに彼の唱える近代建築の五原則を学んだのでしょう。
E1027と名付けられたアイリーンが造った別荘は師匠や恋人の才能を凌駕してしまった故に壁画で汚されます。建築の分野でも本家を超える習得術が発揮されたんだろうと推察されます。それにしても才女とは言え女に負けたくないと言う男たちの器の小いささは嘆かわしいものですね。
昔、観たゲーリークーパー主演の「摩天楼」という映画も華美な装飾様式を排して機能的な近代建築設計に臨む若き建築家の守旧派との軋轢を描いていました、才能が本物であれば必ず良き理解者も存在するという世であって欲しいものです。彼女の斬新な発想、作品を知るにつけ弛まぬ向学心の強さに敬服いたしました。
ニュアンス vs 絶対主義
アイリーン・グレイのキャラクター、その家具と問題のヴィラ〈E 1027〉について 各方面の専門家から語られる
漆が そのキャリアの扉を開け放ったのは、日本人としても興味深い
(菅原精造に師事)
〈E 1027〉についての デザイナー間のトラブルも 浮き彫りにされた
バドウィッチの〈功罪〉
コルビュジエの〈破壊行為〉と ヴィラへの〈ストーカー行為〉( 笑 )
彼には 嫉妬を含めた、天才の爆発的エネルギーを感じさせられた
映画「ル・コルビュジエとアイリーン 追憶のヴィラ」で整理できなかった頭の中を、整理できたかな?
わりと、わかり易く解説されている
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