「映画館に鳴り止まない拍手。」英国ロイヤル・オペラ・ハウス シネマシーズン 2017/18 ロイヤル・バレエ「不思議の国のアリス」 加藤プリンさんの映画レビュー(感想・評価)
映画館に鳴り止まない拍手。
本当、踊りのレベルも演出のセンスも抜群なんだ。
評判のパドドゥも確かに美しく、素晴らしい技術なんだけど
とにかく、幕切れの演出が美事なんだ。
喜ばしくも哀しいことに、
アリスはオトナになってしまったんだ。
だからもう、二度と逢うことはできないのだろう。
夢オチは夢オチなんだけれど、こんなに
あの奇ッ怪で、醜悪な悪夢のなかの登場人物たちが
こんなにも愛おしく、ああもうお別れなんだ、もう逢えないんだ…という
切なくて切なくて、張り裂けそうになる気持ちを
拍手に変えて。
何度も何度もカーテンコールして欲しくて
この夢のような時間が、少しでも長く続いて欲しくて。
気がつくと、映画館なのに拍手していた自分がいた。
こんな作品は初めてかも知れない。
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