「映画館に鳴り止まない拍手。」英国ロイヤル・オペラ・ハウス シネマシーズン 2017/18 ロイヤル・バレエ「不思議の国のアリス」 加藤プリンさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0映画館に鳴り止まない拍手。

2017年12月8日
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鑑賞方法:映画館

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本当、踊りのレベルも演出のセンスも抜群なんだ。

評判のパドドゥも確かに美しく、素晴らしい技術なんだけど

とにかく、幕切れの演出が美事なんだ。

喜ばしくも哀しいことに、

アリスはオトナになってしまったんだ。

だからもう、二度と逢うことはできないのだろう。

夢オチは夢オチなんだけれど、こんなに

あの奇ッ怪で、醜悪な悪夢のなかの登場人物たちが

こんなにも愛おしく、ああもうお別れなんだ、もう逢えないんだ…という

切なくて切なくて、張り裂けそうになる気持ちを

拍手に変えて。

何度も何度もカーテンコールして欲しくて

この夢のような時間が、少しでも長く続いて欲しくて。

気がつくと、映画館なのに拍手していた自分がいた。

こんな作品は初めてかも知れない。

加藤プリン