妻よ薔薇のように 家族はつらいよIIIのレビュー・感想・評価
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他人ごと
あの人はお嫁さんだから、他人なのよ
なんて冷たい言葉を聞いてきた世代なのですが、今はそういうの聞かない、というより、きれい事の上辺が建て付けられた結果、実は人間関係の闇のようなものが暗渠に押し込められたのだろう事を思いました。
一家の大黒柱みたいな昔の価値観をそんな心の暗渠に湛えた長男に対する次男にこれからのひとのありかたを感じ希望のようなものを感じさせてくれます。
コメディ展開半分のなか抑えた演技で日常の直ぐ側にあるひとコマのように観せてくれた夏川結衣さんが効いています。
昭和前期の予定調和
脚本も演技も小津安二郎的な昭和前期のかほり。
なんだと思う。知らないけど。
ま、家族って良いね。ということか。毎回だけど。
予定調和で、水戸黄門みたいな。
いや、やっぱ寅さんみたいな。
そりゃ必然だよなー。山田洋次監督だもの。
3までくるともう皆が名キャラクターに
個人評価:3.6
3作目となると各キャラクターの性格も定着してきて、ありきたりなストーリー展開でも、見る側が親身に入り込める作品となってきている。
本作は男はつらいよの寅さんの様に、確固たる主役を配置していない設定だが、平田家を見守る様に毎作楽しみ拝見する。
次回作の伏線もあり、続編にも期待できる。
山田監督、長生きして良い作品をまだまだ作って下さい。
待ってました!平田家
この家族好きだなぁ。
派手なケンカもするし、口も悪いけど、二世帯住宅のサンプルみたいで、笑ったりほっこりしたり、泣けたり、楽しい映画だ。
キャストの演技が自然で、どこの家庭にも見られる日常会話がなんかいい。
長男役の西村雅彦さんが私はツボで、なんか笑える。
もっと話題になってもいい映画なんだけどな。シリーズ楽しみにしてます。
【山田洋次監督は常に時代が抱える重い問題をコミカルに世間に訴える】
アメリカのあるリサーチ会社の調査では、専業主婦の働きを賃金換算すると、日本円にして約750万という記事を読んだ事がある。
金額は別として、今作では一般的な世間的の専業主婦の見方(言い方は悪いが、三食昼寝付きとか・・)に対して、大いなる異を唱えている。
内容はこのテーマを軸として中年離婚の危機から、”雨降って地固まる”で収めているが、良く考えれば、では働きながら主婦業もこなしている女性が如何に大変なのかを暗喩的に描いているとも思った作品。
シリーズ三作目。安定の面白さである。
<2018年5月31日 劇場にて鑑賞>
今回の作品が一番いい!
年代的には次男夫婦ですが、自分に置き換えたら昭和感があって共感しにくいのですが一つのホームドラマや物語として見たらものすごく丁寧に作られていて非常に楽しい映画。
小学生の息子も一緒に見てたのですが、どんだけ家族多いの?と不思議な目で見てました。。
でもぐっとくる場面、しっかり笑わせてくれて。。今回が一番重かったけど、シリーズで一番好きな話かも。山田監督の「おとうと」も好きでしたが、喜劇でこれほどまでにほっとできる映画って今の時代重宝ものですよ。なんか癖になる作品。
続きが見たい。
ヘソクリとヤリクリ
一言でいえば、庄太(妻夫木聡)のファインプレーが光る、主婦の苦労がわかる作品。長女の金井成子(中嶋朋子)のシーンでも離婚問題、その財産の問題などを電話で話してるのですが、全体を通して夫婦の在り方や専業主婦の労働というものを描いているのです。また、周蔵、富子夫妻のお墓のことも、世の中によくある話で、いざとなったらどうすべきか話し合っておくべき話題だと思う。
鶴瓶がタクシー運転手だったことにも笑わせてもらい、笹野高史が泥棒だったこともほのぼのしてる。結局は捕まらないんですよね?
やっぱり脚本が上手い!特に西村雅彦が家出した妻を迎えにいってる間の家族会議。みんな一人で帰ってくると信じてたのに・・・。という展開。さすがに子供たちはママも一緒に帰ってくると信じてたよね~
この作風はもう時代遅れ
夏川結衣さんが好きなんだよなぁ。
忘れもしない、NHKのドラマに出演したのを始めて見たときの衝撃を。
山田洋次監督、オワコンだ。
年の離れた三兄弟。
50代の長男 西村雅彦さん
40代の中嶋朋子さん
30代の妻夫木聡さん
こんなキレイに年の離れた兄弟が現代社会にレア。
共感出来ない。
長男の旦那の発言
「俺が稼いでる、文句を言うな」
「仕事をしている時に昼寝とはいいご身分」
いくら50代の夫婦像を映すにしても、
こんな前時代の言葉を吐くなんて、いたとしても
激レアでしょ。
いないよ、こんな夫。
ただキャスト陣は素晴らしいの一言。
ベテラン監督に集った感じ。
大事なのは夫婦で思いやりを持って接する
事が大事。
これ当たり前。
主婦への賛歌らしいけど、いったいいつの時代の話なんだよ?という感じがしてしょうがなかった。
主婦への賛歌らしいけど、いったいいつの時代の話なんだよ?という感じがしてしょうがなかった。
昭和20年代が舞台の映画『めし』かよ?と思った。
前にレビュー書いたけど、”めし”というのは昔は内風呂がなかったので仕事から帰ってきたら「めし」の一言しか言わない亭主のこと。
そこまでではないけど、今時こんな西村さんみたいな亭主関白の人いるのか?というかこんなおとなしくてきれいで働き者の奥さんいるのか?という感じがしてしょうがなかった。
今までの2作の流れからして、家族的な社会問題に鋭く切り込んでいくのかと期待して見にいったのに、期待外れだった。
もしかしたら昔の松竹映画のオマージュ的なリメイク映画的なもので、このシリーズの『東京家族』とか鶴瓶さんと吉永さんの『おとうと』みたいなものなのかもしれないけど、中途半端でよくわからなかった。
最初の方で前作で死んだはずの小林稔侍さんが、なにごともなかったように、橋爪さんの友達の医者役で登場したので、これは前作とは関係ないからね、続いてないからねということだったのかもしれない。
家族って昔は定型的なものがあったのかもしれないけど、現在では千差万別で、何があっても不思議ではないし、こういうこもあるのかもしれないけど、現代風ではないと思う。
今はどうなんだろう?これはけっして実話ではありませんが、奥さんに月々の生活費のみを渡してやりくりしてもらおうとした場合、かなりの金額を渡さなければ「なんだこりゃ~これじゃ全然足りねえんだよ、ナメてんのかおまえ?いいから全部だせやコラ!!」と闇金の取り立てみたいに言われて、振込みなら通帳と印鑑、カードとられると思う。
そのあげく「なんだ、これっぽちか?足りねえから今月お前の小使いなしだからな!」とか言われそうな気がする。
また「俺がめし食わしてやってんだ」的なことを言った場合「結婚してんだから当たり前だろ?めしくらい一人でも食えんだよ!文句があるなら人並の給料もらってから言え!このバカ!」とか言われそうな気がする。
ここまでひどくはないにしろ、現代風の夫婦像はこんな感じだろうと思う。
そしてこの映画のようになった場合の関係修復はまず無理。
夫婦関係円満の秘訣は、奥さんの言うこときいて怒らせないことしかないような気がする。
いろいろ助けてくれる親戚もいないだろうし、本作の設定はちょっと現実離れしすぎているような気がする。
かといってファンタジーという感じでもないし、何がやりたいのかよくわからなかった。
離婚したくもなるよね
今時の夫婦にしては夫婦の描写がかなり古風で、昔のドラマを観ている様な感じでした。もう少し下の私の世代だとパートもしない専業主婦はほぼ居ないですし、サクサク離婚をしてますし。女性の描き方がやや甘すぎるのも専業主婦を題材にするのも、観客が団塊世代中心だからでしょうか。
悲劇は絶対に起きないというラストが見えるので安心感がある作品です。サザエさん的なホームドラマなので、何も考えたくない疲れた時に癒されるかも。次もまた疲れた時に観たいです。
三作目にして安牌的シリーズ作品に。
シリーズ第三弾。家に泥棒が入られ、夏川結衣演じる嫁・文枝のヘソクリを泥棒に盗まれた事から始まるストーリー。
やっときたか!、文枝編。
サザエさんで言えばフネ的存在で物静か。一家を陰で支える女に初スポット。
そんな女性がヘソクリの件で初めて家を出て行っちゃうw
文枝がいなくなると家庭は廻らなくなるわ、親戚筋はギクシャクするわ、ホント分かり易いキャスト個々の性格が観てとれる。
若い人だと共感し辛いと思うが、親なんて歳とるごとにカタブツだし、口だけになるし。橋爪功や吉行和子なんて共感でしかない。
東京家族含む過去シリーズ作品よりイラつく事なく鑑賞出来たのも好評価理由。
この家族は自分が歳取る毎に共感出来き、安心して観れるシリーズになったと思う。
出来る限りシリーズ化してもらいたいな。世代交代しても。
妻は名花の如く
すっかりお楽しみになった山田洋次監督の新たな喜劇シリーズ。その第3弾。
いきなり感想。今回も面白かった!
安心して楽しめるとはまさに本作のような映画の事。
でも、平田家にとっては安心とは程遠い。三度、問題発生!
熟年離婚、無縁社会と来て、今回のテーマはズバリ、“妻”!
家族皆が留守中、長男の妻・史枝は日々の家事の疲れで、ついウトウトと仮眠を。そこへ、泥棒が…!
史枝自身に被害は無かったものの、コツコツ貯めていたかなりの金額のへそくりを盗まれてしまった。
それを知った夫・幸之助は激怒。史枝を責める。
史枝は家出をしてしまう…。
周造と富子の老夫婦が家事を担当するが、富子が腰痛でダウン。周造は馴れない家事に悪戦苦闘、ボヤ騒ぎまで起こしてしまう。
史枝が居なければ、この平田家は…。
長男の妻・史枝にフォーカス。
前作も前々作も(同キャストの『東京家族』の時からも)思っていたが、本当に良く出来た嫁である!
常に義父母を気遣い、夫を支え、二人の子供を育て、長女や次男の妻の相談にも乗る。
掃除、洗濯、食事…日々の家事は怠らない。
私なんぞ家事は休みの日にちょっとやるくらいで、すぐ趣味(映画鑑賞)を優先してしまう。やらなきゃいけないのは分かっているけど…。
それらを全部一日でこなし、毎日やる。
それがどんなに大変な事か!
これでも少しは分かっているつもりである。
縁の下の力持ち…ではない。真の“大黒柱”!
夏川結衣が好演。
“平凡な主婦”という“難役”を見事に演じている。
史枝も本当は外に出て働いてみたい。昔習っていたフラメンコをやりたい…。
そんな本心を押し殺し、全ては家族の為に。
本シリーズにはタイプの違う女性が出てくるが、最も惹かれるのは、史枝である。
こんな女性が奥さんだったらなぁ…。
それなのに、幸之助は!
いつもならひねくれ頑固亭主の役回りは周造だが、長男・幸之助へバトンタッチ。
と言うか、頭の禿げ具合とその困った性格だけはしっかり受け継いだと言っていいくらい、そっくり父子。
亭主関白。男は仕事、女は家庭の昔気質の考え。口から出るのは嫌味や皮肉だけ。…やれやれ。
でも、本心ではない。言ってしまって後悔。素直になれないだけ。
自分もそういう所あるから分からんでもない。
だけどね、幸之助さん、
「俺が汗水垂らして働いている時昼寝とはいいご身分だな!」「俺が稼いだ金だぞ!」「俺が食わしてやってるんだぞ!」
これを言っちゃあお仕舞いよ。
警部補・田○正○におデコを叩かれて反省して欲しいくらい。
家族てんやわんやだが、一番可哀想なのは子供たち。
「僕たちの両親は愛し合ってないの…?」
動揺を隠せない子供たちに、次男の妻・憲子が史枝から聞いた馴れ初め話が何とロマンチックな事!
愛し合ってない訳じゃない。
寧ろ、今も愛し合っているからこそ、問題が発生するのだ。
これが冷え切った夫婦ならお互い無関心で何も起きやしない。
夫は妻の有り難みを充分感じている。だけど今更、口に出して言えない。
妻はそんな夫の不器用さをちゃんと分かっている。でも、時には口に出して言って欲しい。
この焦れったさ、もどかしさ!
日本の夫婦の姿。
だからこそ、愛おしい。
家族会議、ちょっとしたやり取り、間…監督の演出とキャストたちのアンサンブルはもはや名人芸。
とある名作や名匠へのオマージュも。長男・幸之助と次男・庄太が深刻な話をしている背景で、賑やかな人々。明暗の対比は黒澤明の『生きる』。そのシーンで二人が同時に喋るのは、市川崑の十八番の名手法。
シリーズサブレギュラー、毎回役所が変わる小林稔侍、笑福亭鶴瓶、笹野高史の今回の役柄は…、見てのお楽しみ♪
ちと残念だったのは、橋爪功が今回控え目だった事と、前回揉めに揉めた周造の運転問題がいつの間にやら解決しちゃってた事。ひと騒動作れただろうに。
冒頭でも述べた通り、安心して楽しめるという事は、笑いも展開もほとんど予想出来る。
ネタバレってほどじゃないけど、幸之助と史枝の夫婦関係も。
だけどこの、落ち着く所に落ち着く作りが心底心地良い。
笑って、身に染みて、ジ~ンとさせて、ほっこりと。
雨降って地固まる。
今回の鰻重(特上)の味は格別だろう。
シリーズ物と言うより、一本の作品としても上々。
そして最後は、次作への伏線…!
こりゃ次作も楽しみ!
…と思ったら、来年はナシ。残念!
その代わり来年は、まさかまさかの寅さんの新作が…!
寅さんを好きになって、寅さんを劇場で観れる事は無いと思ってたのに、それが叶うとは、夢みたいじゃ…。
その後でもいいので、平田家の続きを!
少しは経験したことが?
この映画に出てくる世代そして男性・女性にはこの映画を観ている人それぞれが経験したことがあるような出来事がちりばめてあるようなそんな気がしました。それぞれの世代のギャップを妻夫木君・蒼井優さん演じる平田庄太・憲子夫婦がうまく埋めていました。最後のシーンでの"ふたりのおめでた"にはこころがホッとしました。二人ともとても良い演技だったと思います。
余談ですがこの映画に"寅さん"がDVDとして出演しています。探してみてください。それと山田洋次監督はよほど"うな重"が好きみたいで家族が集まりことがうまくゆくシーンではよく"うな重の特上"をたのんでいます。今家族間の問題は多きけれどすこしほっこりできる映画でした。
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