妻よ薔薇のように 家族はつらいよIIIのレビュー・感想・評価
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掃除はね、家具をちゃんと動かしてするものなの
映画「妻よ薔薇のように 家族はつらいよIII」(山田洋次監督)から。
シリーズ第三弾も「家族の不協和音」が鳴り響き、(笑)
父母の熟年離婚ばかりか、息子夫婦の熟年離婚も話題の中心に。
今は、専業主婦が少ないばかりか、共働きが当然の時代なので、
仕事と家事の両立をしている妻を見下す男性は少ないが、
「家事」という仕事を、しっかりと評価し、感謝しないと、
物語のように、プチ家出とはいえ、いざ妻がいなくなると、
掃除、洗濯、朝昼晩の食事の準備などしたことがない男性陣は、
大慌てとなる。
それを象徴した朝食の様子が、ご飯もたかず、おかずもなく、
テーブルの上には、黄色いバナナだけ。(笑)
遅く起きてきた祖父に、バナナを差し出して孫が声を掛ける。
「おじいちゃん食べる?」
その様子を見て、祖父は朝から怒りながら、
「俺は動物園の猿じゃない」と言い返すシーン。
なんだかんだ言っても、普段何もしなければ、
調理することは考えず、そのまま食べられる果物で済ます、
あっ、もしかしたら自分も・・と、メモをした。(汗)
掃除も、掃除機で見えるところだけ動かす程度かもしれず、
「掃除はね、家具をちゃんと動かしてするものなの」と
アドバイスされたシーンさえ、メモしてしまった。
それなのに「労働の後のビールは最高だなあ」と、
すぐアルコールに手が伸びるシーンも、苦笑いだった。
だから「お嫁さんのありがたみわかったでしょ」は、
ただただ頷くばかりだった。
さて・・シリーズ第4弾は、何がテーマかな。(笑)
他人ごと
あの人はお嫁さんだから、他人なのよ なんて冷たい言葉を聞いてきた世代なのですが、今はそういうの聞かない、というより、きれい事の上辺が建て付けられた結果、実は人間関係の闇のようなものが暗渠に押し込められたのだろう事を思いました。 一家の大黒柱みたいな昔の価値観をそんな心の暗渠に湛えた長男に対する次男にこれからのひとのありかたを感じ希望のようなものを感じさせてくれます。 コメディ展開半分のなか抑えた演技で日常の直ぐ側にあるひとコマのように観せてくれた夏川結衣さんが効いています。
昭和前期の予定調和
脚本も演技も小津安二郎的な昭和前期のかほり。 なんだと思う。知らないけど。 ま、家族って良いね。ということか。毎回だけど。 予定調和で、水戸黄門みたいな。 いや、やっぱ寅さんみたいな。 そりゃ必然だよなー。山田洋次監督だもの。
3までくるともう皆が名キャラクターに
個人評価:3.6 3作目となると各キャラクターの性格も定着してきて、ありきたりなストーリー展開でも、見る側が親身に入り込める作品となってきている。 本作は男はつらいよの寅さんの様に、確固たる主役を配置していない設定だが、平田家を見守る様に毎作楽しみ拝見する。 次回作の伏線もあり、続編にも期待できる。 山田監督、長生きして良い作品をまだまだ作って下さい。
待ってました!平田家
この家族好きだなぁ。 派手なケンカもするし、口も悪いけど、二世帯住宅のサンプルみたいで、笑ったりほっこりしたり、泣けたり、楽しい映画だ。 キャストの演技が自然で、どこの家庭にも見られる日常会話がなんかいい。 長男役の西村雅彦さんが私はツボで、なんか笑える。 もっと話題になってもいい映画なんだけどな。シリーズ楽しみにしてます。
【山田洋次監督は常に時代が抱える重い問題をコミカルに世間に訴える】
アメリカのあるリサーチ会社の調査では、専業主婦の働きを賃金換算すると、日本円にして約750万という記事を読んだ事がある。 金額は別として、今作では一般的な世間的の専業主婦の見方(言い方は悪いが、三食昼寝付きとか・・)に対して、大いなる異を唱えている。 内容はこのテーマを軸として中年離婚の危機から、”雨降って地固まる”で収めているが、良く考えれば、では働きながら主婦業もこなしている女性が如何に大変なのかを暗喩的に描いているとも思った作品。 シリーズ三作目。安定の面白さである。 <2018年5月31日 劇場にて鑑賞>
今回の作品が一番いい!
年代的には次男夫婦ですが、自分に置き換えたら昭和感があって共感しにくいのですが一つのホームドラマや物語として見たらものすごく丁寧に作られていて非常に楽しい映画。 小学生の息子も一緒に見てたのですが、どんだけ家族多いの?と不思議な目で見てました。。 でもぐっとくる場面、しっかり笑わせてくれて。。今回が一番重かったけど、シリーズで一番好きな話かも。山田監督の「おとうと」も好きでしたが、喜劇でこれほどまでにほっとできる映画って今の時代重宝ものですよ。なんか癖になる作品。 続きが見たい。
ヘソクリとヤリクリ
一言でいえば、庄太(妻夫木聡)のファインプレーが光る、主婦の苦労がわかる作品。長女の金井成子(中嶋朋子)のシーンでも離婚問題、その財産の問題などを電話で話してるのですが、全体を通して夫婦の在り方や専業主婦の労働というものを描いているのです。また、周蔵、富子夫妻のお墓のことも、世の中によくある話で、いざとなったらどうすべきか話し合っておくべき話題だと思う。 鶴瓶がタクシー運転手だったことにも笑わせてもらい、笹野高史が泥棒だったこともほのぼのしてる。結局は捕まらないんですよね? やっぱり脚本が上手い!特に西村雅彦が家出した妻を迎えにいってる間の家族会議。みんな一人で帰ってくると信じてたのに・・・。という展開。さすがに子供たちはママも一緒に帰ってくると信じてたよね~
良い意味で安定感、悪い意味でザ昭和。
渡鬼がときどき2時間スペシャルドラマやっているかのような、2時間ドラマのような予定調和。
このセリフが劇的な変化をもたらすとかはないので、ネットサーフィン・スマホ触りながらも見れるくらいです。
嫁の家出を発端に専業主婦の大変さと、ザ昭和な夫が露わになり、それをきっかけに兄弟が集まり、修復に協力していく。
昭和の夫が稼いで、妻は家庭のことをやるのが当然で、何かにつけて稼いでやっているのに・・・と上から目線。今どきとは思えないセリフが時代を感じる。
逆のことを言うと、鑑賞する世代対象がはっきりしているとも。
DVDでちょうどよいかも。
この作風はもう時代遅れ
夏川結衣さんが好きなんだよなぁ。 忘れもしない、NHKのドラマに出演したのを始めて見たときの衝撃を。 山田洋次監督、オワコンだ。 年の離れた三兄弟。 50代の長男 西村雅彦さん 40代の中嶋朋子さん 30代の妻夫木聡さん こんなキレイに年の離れた兄弟が現代社会にレア。 共感出来ない。 長男の旦那の発言 「俺が稼いでる、文句を言うな」 「仕事をしている時に昼寝とはいいご身分」 いくら50代の夫婦像を映すにしても、 こんな前時代の言葉を吐くなんて、いたとしても 激レアでしょ。 いないよ、こんな夫。 ただキャスト陣は素晴らしいの一言。 ベテラン監督に集った感じ。 大事なのは夫婦で思いやりを持って接する 事が大事。 これ当たり前。
主婦の皆様、感謝の念に堪えません!
"家族はつらいよ" シリーズ第3作。
レンタルDVDで鑑賞。
ノベライズは未読です。
これほどまでの安定感と安心感。昨今のシリーズ物には無かったように感じました。平田家の騒動に大いに笑い、そして大いに考えさせられる。良質なシリーズだなぁ…
本作のテーマは主婦について。毎日の料理に洗濯、掃除にお買い物、家計のやりくりに四苦八苦。まさに家庭の全てを把握した存在。やってくれることが当たり前だと知らず知らずの内に思い込んでやしないか?―思わずハッとさせられ、身に摘まされる事柄が多く、考えさせられました。
私に妻はおりませんが、実家暮らし故に母のお世話になっています。仕事が終わって家に帰れば晩御飯は出て来るし、昼の弁当だってつくってもらっているし、毎日の洗濯もしかり。恥ずかしい話ではありますが、それが心のどこかで「当たり前」と思っている自分を発見し、反省させられました。
もしも母に家出されたらめちゃくちゃ困ります。平田家のように何もかも上手く運ばなくなるだろうし、火事にはなりかけるは家庭崩壊しかけるは、と云う事態は他人事ではない。主婦とはなんて偉大な存在なのかと実感させられました。
給料の一部を家に入れていますが、その給料を貰えるのは毎日仕事が出来ているから。仕事が出来ると云うことは健康的な生活を送れているから。それは突き詰めれば母のお陰、もとい主婦の存在があるからこそではないかな、と…
毎日感謝しながら、自分で出来ることは自分でして、少しでも母の負担を減らさないといけないと心の底から思いました。
[余談]
鰻重を頼むと何かが勃発していた平田家ですが、本作では頼んだ時点で問題は解決していて、無事に家族で食べることが出来ました。これまでとは違った展開とラストの出来事に、「もしや本作で終わりかしら?」と云う心配が脳裏を過りました。
※修正(2023/04/19)
主婦への賛歌らしいけど、いったいいつの時代の話なんだよ?という感じがしてしょうがなかった。
主婦への賛歌らしいけど、いったいいつの時代の話なんだよ?という感じがしてしょうがなかった。 昭和20年代が舞台の映画『めし』かよ?と思った。 前にレビュー書いたけど、”めし”というのは昔は内風呂がなかったので仕事から帰ってきたら「めし」の一言しか言わない亭主のこと。 そこまでではないけど、今時こんな西村さんみたいな亭主関白の人いるのか?というかこんなおとなしくてきれいで働き者の奥さんいるのか?という感じがしてしょうがなかった。 今までの2作の流れからして、家族的な社会問題に鋭く切り込んでいくのかと期待して見にいったのに、期待外れだった。 もしかしたら昔の松竹映画のオマージュ的なリメイク映画的なもので、このシリーズの『東京家族』とか鶴瓶さんと吉永さんの『おとうと』みたいなものなのかもしれないけど、中途半端でよくわからなかった。 最初の方で前作で死んだはずの小林稔侍さんが、なにごともなかったように、橋爪さんの友達の医者役で登場したので、これは前作とは関係ないからね、続いてないからねということだったのかもしれない。 家族って昔は定型的なものがあったのかもしれないけど、現在では千差万別で、何があっても不思議ではないし、こういうこもあるのかもしれないけど、現代風ではないと思う。 今はどうなんだろう?これはけっして実話ではありませんが、奥さんに月々の生活費のみを渡してやりくりしてもらおうとした場合、かなりの金額を渡さなければ「なんだこりゃ~これじゃ全然足りねえんだよ、ナメてんのかおまえ?いいから全部だせやコラ!!」と闇金の取り立てみたいに言われて、振込みなら通帳と印鑑、カードとられると思う。 そのあげく「なんだ、これっぽちか?足りねえから今月お前の小使いなしだからな!」とか言われそうな気がする。 また「俺がめし食わしてやってんだ」的なことを言った場合「結婚してんだから当たり前だろ?めしくらい一人でも食えんだよ!文句があるなら人並の給料もらってから言え!このバカ!」とか言われそうな気がする。 ここまでひどくはないにしろ、現代風の夫婦像はこんな感じだろうと思う。 そしてこの映画のようになった場合の関係修復はまず無理。 夫婦関係円満の秘訣は、奥さんの言うこときいて怒らせないことしかないような気がする。 いろいろ助けてくれる親戚もいないだろうし、本作の設定はちょっと現実離れしすぎているような気がする。 かといってファンタジーという感じでもないし、何がやりたいのかよくわからなかった。
離婚したくもなるよね
今時の夫婦にしては夫婦の描写がかなり古風で、昔のドラマを観ている様な感じでした。もう少し下の私の世代だとパートもしない専業主婦はほぼ居ないですし、サクサク離婚をしてますし。女性の描き方がやや甘すぎるのも専業主婦を題材にするのも、観客が団塊世代中心だからでしょうか。 悲劇は絶対に起きないというラストが見えるので安心感がある作品です。サザエさん的なホームドラマなので、何も考えたくない疲れた時に癒されるかも。次もまた疲れた時に観たいです。
三作目にして安牌的シリーズ作品に。
シリーズ第三弾。家に泥棒が入られ、夏川結衣演じる嫁・文枝のヘソクリを泥棒に盗まれた事から始まるストーリー。 やっときたか!、文枝編。 サザエさんで言えばフネ的存在で物静か。一家を陰で支える女に初スポット。 そんな女性がヘソクリの件で初めて家を出て行っちゃうw 文枝がいなくなると家庭は廻らなくなるわ、親戚筋はギクシャクするわ、ホント分かり易いキャスト個々の性格が観てとれる。 若い人だと共感し辛いと思うが、親なんて歳とるごとにカタブツだし、口だけになるし。橋爪功や吉行和子なんて共感でしかない。 東京家族含む過去シリーズ作品よりイラつく事なく鑑賞出来たのも好評価理由。 この家族は自分が歳取る毎に共感出来き、安心して観れるシリーズになったと思う。 出来る限りシリーズ化してもらいたいな。世代交代しても。
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