「いや、まあ、こういう作品にしてはおもろかったよ…?」キュート・リトル・バニーズ alalaさんの映画レビュー(感想・評価)
いや、まあ、こういう作品にしてはおもろかったよ…?
見た瞬間にわかる低予算映画。美男美女とかカッコいい視覚効果とか、そんなもんに頼りません。金がかかるから。有名人も大都会も出てきません。金がかかるから!!
でも、こんな低予算丸出しの作品でもチラホラ面白いと思えるシーンはありました。し、馬鹿みたいに金をつぎ込んだ作品じゃないからこそ、気付かされることもあったというか。
フツーーーーのおばちゃんの無駄なセクシーシーンがあって、多分美男美女じゃないと許せないポリコレアレルギー勢は発狂すると思うけど、何かこのおばちゃんがさ、見てると段々可愛く見えてくるんだよな…
ていうか、これが製作陣の腕の見せ所じゃねーの?と正直思う。
最初っから美男美女出して、作品の見栄えが良くなるのって当たり前じゃん。有名人出てますよ!って宣伝してある程度見てもらえるのも当たり前じゃん。
外見フツーーーーのおばちゃんおっちゃんが出て、それが何か可愛く、カッコ良く見えてくるようなキャラ作りってあるんだよな。不細工だって良い演技する人は沢山いるし、でもポスターにした時に見栄えしなくて客寄せできないのが不安なんだろうけど、口コミで上映数拡大してく作品だってあるわけで。
美男美女使っても、めちゃくちゃ金はたいて作っても、CMに金かけたせいで予想より稼げなかった作品や完全赤字の作品も結構あるみたいだけど、それなら美男美女で客を釣るようなマネしてないで、最初から思い切ってフツーの俳優を「何か可愛いんだよな」と思わせられるような撮り方をした方が良いんじゃないですかね。それができないから悪戦苦闘してるんだろうけど。
でも本当にそうなら、映画界はまじで衰退してるんだなと。
ディズニーなんかも「ポリコレのせいでつまらなくなった!」みたいな声を結構聞くけど、ポリコレのせいでつまらなくなったんじゃなく、今までのやり方では稼げなくなって漸く白人ばかりにこだわらずに作るしかなくなった。時代を作る側だったディズニーが、時代に合わせて客の顔色を窺って作らなきゃいけなくなった。今までの通りにやっても売れないから、新しい試みとして色々やり始め、変わり始めたばかりだから慣れるまでは失敗も多発する。
そのおかげで白人に偏りまくっていた今までの差別的な表現が結果的にできなくなってきたというだけ(これをポリコレと呼んでる人がいる)。
そういう意味で良かったと言えば良かったこともあるけど、やっぱりあれだけ栄華を誇ったディズニーでさえ、もう時代を牽引する力はない(ステマ疑惑は結構前からあった)ということを考えると、映画界の衰退は一般人が思っている以上に著しいんだろうな。
本作では全く美男美女は出てこなくて、見栄え的に「……。」だったのか(失礼だろ)、売りにしてるのは「可愛いウサちゃん」。ポスターでも前面に押し出されている「可愛いウサちゃん」。
…いやもうそれでいいよ。可愛いウサちゃんに任せてれば全部うまくいくよ(いってねーよ)。
人間達は別に可愛くも美人でも格好良くもなく、田舎に住んでるフツーーーの人達。可愛いのはまじでウサちゃんだけ。でも、そのウサちゃんの中身の宇宙人も人間達も、どこか愛嬌があって良いキャラしてる。
同じ路線の『ゾンビーバー』より更に話も下らないし、下ネタばっかだし、モンスターパニックものにしては割と淡々としてるけど、酒飲みながら鼻で笑う程度のコメディはあるし、俳優陣も頑張ってる。
映画界は今後、こういう方向性を狙ってみてはいかがでしょうか…
(と言いつつ☆2)