「温故知新の”ナシゴレン”ウェスタン」マルリナの明日 Jiroさんの映画レビュー(感想・評価)
温故知新の”ナシゴレン”ウェスタン
プロモーションの「ナシゴレン・ウェスタン」という謳い文句に唸る。
観れば納得のプロモーション。
(もっともプロモーションなくして舞台が「インドネシア」であることは気づけなかったが)
ありきたりのパーツも組み合わせ次第でこんなに新しく、美しい映像になるとはまさに温故知新。
まさかこんな切り口の映画が存在したとは!
タランティーノ的な再構築の手法の、タランティーノ的な魅力にあふれた物語であるが、均整のとれた画面構図はそれとはまた異なった大きな魅力。
ウェスタンの荒野に見立てられたインドネシアの美しい殺風景と、引きのアングル。
部屋に対して正対したカメラワークで映し出す直線的な屋内。
それらが美しき殺人者マルリナの復讐劇の悲哀を引き立たせる。
そしてまるでテルマ&ルイーズのようなプロットと清涼感も実に素晴らしい!
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