「都合よく塗り替えられた初恋の思い出」ベロニカとの記憶 とえさんの映画レビュー(感想・評価)
都合よく塗り替えられた初恋の思い出
40年前、学生時代に付き合っていたガールフレンドの母親が主人公のトニー(ジム・ブロードベント)にあてた遺書
そこに書かれていた彼への遺品は、自殺してしまった親友の日記だった
面白かったなぁ
サスペンス的な雰囲気もある人間ドラマ
人は記憶の断片を組み合わせて、自分の都合の良いように思い出を作り上げてしまうという話
ここで描かれるのは、初恋の思い出
そのとき二人で作り上げた関係は、周りの噂に惑わされず、最後まで二人で話し合って終わりを決めるべきなのに
でもそれが大学生の若さだと、理性よりも情熱が先走り、自分の感情だけで勝手に終わりを告げてしまう
それが、後々大きな誤解を生むとも気づかずに
そして40年の月日が経つ
40年も経てば、少しは大人になっているだろうと思っていても
悲しいことに、人は40年経ってもろくに成長もせず、同じことを繰り返してしまう
主人公のトニーが、なんともデリカシーがなく鈍感で偏屈なことにイラついてしまうけど
次第に自分の父親を見ているような気分になり
最後には、そんな彼も愛おしくなっていく
人って誰も完璧にはなれないよね
いっぱい失敗をして生きていくんだよね
だからこそ、愛おしいんだよ
大学時代の友人に会うと、あの頃の自分に戻ってしまうのはなぜだろうといつも思うけど
それは、世界共通の感覚なんだなぁと思った
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