劇場公開日 2018年1月20日

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「都合よく塗り替えられた初恋の思い出」ベロニカとの記憶 とえさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0都合よく塗り替えられた初恋の思い出

2018年1月11日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:試写会

40年前、学生時代に付き合っていたガールフレンドの母親が主人公のトニー(ジム・ブロードベント)にあてた遺書

そこに書かれていた彼への遺品は、自殺してしまった親友の日記だった

面白かったなぁ
サスペンス的な雰囲気もある人間ドラマ

人は記憶の断片を組み合わせて、自分の都合の良いように思い出を作り上げてしまうという話

ここで描かれるのは、初恋の思い出

そのとき二人で作り上げた関係は、周りの噂に惑わされず、最後まで二人で話し合って終わりを決めるべきなのに
でもそれが大学生の若さだと、理性よりも情熱が先走り、自分の感情だけで勝手に終わりを告げてしまう

それが、後々大きな誤解を生むとも気づかずに

そして40年の月日が経つ

40年も経てば、少しは大人になっているだろうと思っていても
悲しいことに、人は40年経ってもろくに成長もせず、同じことを繰り返してしまう

主人公のトニーが、なんともデリカシーがなく鈍感で偏屈なことにイラついてしまうけど
次第に自分の父親を見ているような気分になり
最後には、そんな彼も愛おしくなっていく

人って誰も完璧にはなれないよね
いっぱい失敗をして生きていくんだよね
だからこそ、愛おしいんだよ

大学時代の友人に会うと、あの頃の自分に戻ってしまうのはなぜだろうといつも思うけど
それは、世界共通の感覚なんだなぁと思った

とえ