「あの頃に想い馳せ、今と向き合う」あの頃、君を追いかけた しゅうへいさんの映画レビュー(感想・評価)
あの頃に想い馳せ、今と向き合う
オリジナル版は未見(※現在鑑賞済み)、
原作は未読です。
友達と全力でバカをやっていたあの頃。女子の一挙一動に一喜一憂したあの頃。初恋の喜びに胸を焦がしたあの頃。…
見えない未来への希望と不安に、押し潰されそうになったあの頃。曖昧な自分と向き合わざるを得なかったあの頃。…
思い返せば、なんと素晴らしい日々だったのだろうか。あの頃があったから、今の自分がある。まだ何者でもなく、何も持っていなかったけれど、確かに何かがありました。
描かれる青春あるあるの数々の全てに共感しました。幼稚だろうがなんだろうが、とにかく楽しかった。一秒一秒を全力で駆け抜けたような日々でした。あぁ、懐かしい…
もっとこうしていれば、想いをきちんと言葉にしていれば、今は少しだけ変わっていたかもしれない。パラレルワールドの自分、何をしていますか?―楽しくやっていますかね?
あの原動力はいったいどこから湧いていたのだろう?―大人になった今でも時々思い返します。今では、日々に流されているわけではないけれど、勢いを失ったような気がします。
社会に出て、知らず知らずの内に何かに束縛されてしまったのかも。あの頃の自分をいつの間にかどこかに置き忘れてしまったのかもなぁ、なんて思ったりもします。
出来ることなら、あの頃に返りたい。だけど、とにかく今をどう生きるかが重要なんだと思いました。過去を振り返りつつも、今この瞬間と向き合っていくんだ、と…
主演ふたりの演技がとにかく良かった。
山田裕貴はカメレオン俳優の面目躍如だよなぁ、と…。ちゃんと高校生に見える。もがく姿に感情移入してしまいました。雨の中、自転車を漕ぎながらの「好きだー!」に涙が…
齋藤飛鳥は最高のマドンナでした。映画初出演と思えない自然体な演技と醸し出される聡明さ、そして圧倒的美少女感。役にピッタリのキャスティングだと思いました。
主題歌「言えなかったこと」が、じわじわと胸に染み渡って来ました。最高の余韻を味わえました。映画の内容にマッチした歌詞が最高でした。いろいろ思い返して切なくなった…
現役で青春している人はどう感じたのか気になりました。現在進行形だから視点も違うだろうし…。全ての世代が共感出来る、とてもいい映画ではないかなと思いました。
※修正(2023/04/23)