「音楽とダンスと女子高生に食傷気味になる」SUNNY 強い気持ち・強い愛 beshさんの映画レビュー(感想・評価)
音楽とダンスと女子高生に食傷気味になる
90年代に女子高校生だった人には共感できるのだろうか。ヤク中がいたり、テレクラでおっさんからかって遊んだり、実在すれば相当なバカ女子校。僕はこういう女子高生を避けて生活していたので、共感は感じられなかった。懐メロで盛り上がるカラオケに同席し、ノリについて行けずに居心地が悪い気持ちになるような、入り込めない映画だった。僕が記憶する90年代は音楽やファッションのカルチャーの多様性が豊かな時代で、主人公たちはごくごく一部のドライブに過ぎなかったはず。日本中がコギャルを中心に回っていたとは思わないし、せっかく90年代を描くなら、いろんなタイプの高校生を描いて欲しかった。もちろんコギャルだけの世界を描くことが悪いわけでないが、ダンスシーンは90年代というより現在の女子高生っぽいし、ごりごりのコギャルがオザケンをチョイスするかな?とか、当時のシスコ界隈のヒップホップDJにあんなキムタクみたいな奴いないだろとか、リアリティがあるようで、違和感を感じる要素が多く、モテキ、恋の渦、バクマン、スクープなど細かなリアリティの描きが込みが絶妙な大根監督作からすると、どうしたのかな?と残念な気持ちになった。ララランドやグレイテストショーマンなど、ダンスと名曲があればヒットするということを狙ったのか、やたらにダンスシーンが多いが、ララランドのうっとりするくらいの美しいダンスシーンなどは遠く及ばず、中途半端なダンスシーンを何度も見せられて退屈になる。女子高生ダンスなら登美丘高校で十分だ。ともさかりえの枯れた演技は素晴らしかった。今後、役の幅を広げて大活躍しそうな予感がする。イライザの実在感も良かった。
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