「限られた情報と時間、やり直しできない選択」デジモンアドベンチャー tri. 第6章「ぼくらの未来」 シマリス琥珀斎さんの映画レビュー(感想・評価)
限られた情報と時間、やり直しできない選択
メイクーモンの暴走する宿命が、設計ミスだったとして、
設計変更で修正できればよかったのに。
手持ちの情報は限られていて、世界がデジタルワールドに侵食され時間も限られていて、
暴走は止まらず、
答えが、メイクーモンを消去すること。
メイクーモンが消えるとき白い世界で美化されて
さよならするのが、
個人的に泣けた。
暴れたのは不良データを消去する能力を与えられた時点で設計ミスのせいで、
メイクーモンはどうにか自分の中でバランスをとろうとしてたはずで、
でも誰もそんな暗い宿命を負わされていないから、
分かり合えなかったはずで。
でも暴走しちゃったけど自我もなくなったけど
消去するしかない のか 消去したら救われるのか。
悪意集団ユグドラシルは侵食してきて、
調和をめざし再起動したがりのホメオスタシスも現実世界を再起動するとかいってて、
味方じゃなかった。
自分で消えることができなかったためか、メイクーモンその他すべての記憶がパスワードつきで保管されていて、メイクーモンの精一杯の抵抗がそれだったと思う。
開けたあとメイクーモンにも変化があったけど、
安定するには色々足りなかった。
記憶の種類も、人格の気の長さも、危険な能力の制御も、周りから受け入れられる姿形も。
メイクーモンの悲劇。
もう二度と同じ危険能力を持たせる設計でデジモンを生み出してはいけない。
選ばれた子供たちがデジモンを最善の進化に導くという定説が間違いだった。
もし危険な力を持たせるなら、トラブル発生時に力を捨てることができるように安全装置を多重に組み込んでおくべきだ。
ただの普通のデジモンになれることが、とっても遠かった。なんか悲しい。