「分かり合えるもの、分かり合えないもの」アバター ファイヤー・アンド・アッシュ 機動戦士・チャングムさんの映画レビュー(感想・評価)
分かり合えるもの、分かり合えないもの
ネイティブとの対立、環境破壊、濫獲、いつでも、どこでも、誰とでもする戦争…私達の業を詰め込んだ、惑星パンドラ。その混沌の最中に見つけた希望とは…。
まず、映像に驚かされます。ちなみにクリストファー・ノーランでしたか、映画撮影のために、本物の飛行機、建物にぶつけたそうです。それこそ、CG使えよって話ですが、監督さん曰く、実物使ったほうが、安いとか。実は世界レベルのCG造るには、膨大な画像と、膨大なチェック作業が要る。そのための時間と労力は、尋常ではないそうです。私は2D版を観たのですが、フルCGによくある遠近感のズレがない。CG酔いしないんです。これだけでも凄い仕上がりです。ついでに、海兵隊が着用したパワードスーツの小型版、市販化して欲しい。介護と物流の現場で、活躍しそう。
ところで、皆様は、この映画の攻撃ヘリのパイロットになりたいですか?。資源の枯渇した故郷を離れ、マスクなしでは5分で肺が腐りそうな森を抜けて、海獣ハンターとして赴任。ネイティブの方々と諍いを起こす。その挙げ句…。
この映画、誰目線で解釈するかで、見え方が大きく変わります。そんな混沌から何が見える?。たとえばジェイクの呼び掛けに応じた勇壮なる戦士たち。その凛々しき出で立ちは、その後の出来事を想像すると、何だか見ていて悲しくなる。もう、誰にも止められないのだなぁ、と…。
果てしなき、戦いの炎と悲しみの灰…
新たなる力を得たことで、新たなる世界を見るヒトもいれば、新たなる力を得たところで、古き生き方をより深化、業を深めるヒトもいる。助け合うことを願うヒトもいれば、奪い合う生き方を加速させるヒトもいる。海獣さんを助けたいヒトもいれば、海獣を一網打尽にしようとするヒトもいる。
そう、世界は、一方向に進むわけではない。
「もののけ姫」ではありませんが、私達は進歩しているように見えて、他の生き物を巻き込みつつ、緩やかに破滅に向かっているのかも。だとしても、私達が、新たなる道を見出だす選択肢もあるはずです。
この映画がパンドラならば、皆様は希望になれますか?。その希望は、私達を何処へ向かわせるかな?。改めて、ご考慮願います。
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