劇場公開日 2022年12月16日

「できることと興味ないこと」アバター ウェイ・オブ・ウォーター 9さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0できることと興味ないこと

9さん
2023年2月18日
iPhoneアプリから投稿

自然との関わり方など宮崎作品を彷彿とさせますが、一番違うのは徹底して食事シーンが無いことでしょうか。モーションキャプチャの技術的なことかもしれませんが、「アバター」に生々しさを出し過ぎたくないよう感じました
様々な技術を駆使してリアリティを追求しつつも、どこか浮世離れした部分を作らなければいけないのは皮肉ですね
異世界転生もの(前作は完全にそのジャンルと思います)として その世界の文化や風土、今作のテーマである家族や親子を描くなら 食事をついつい入れてしまいそうですが
もしかしたら監督の文脈であるSFジャンルだと、そもそも食事に重きをおかないのかもしれません

悪役はいつの間にか部隊を私怨のために私物化していて、軍人として二流以下です。一緒に着いてくる部下達にとっては、軍全体は関係なく直属のボスの指示が全てだろうなというのはわかるのですけど

主人公が前作でやった「今イケてなくても環境が変われば無双」をそのまま引き継いだのは、同じ境遇になる悪役でなく 自身の欠落に悩む娘キリでした
もっとも この星で一番"多様性"な少年は悩んでる暇ないかのようなバイブス。本当に強い子だと思います

できないことの理由を数えるより、とりあえず 限られたできることでやっていくことの大切さ。社会的マイノリティから正当性を主張する音楽のような映画だと思いました。

9
Uさんさんのコメント
2023年2月18日

共感有り難うございます。
そうですね。SF小説などでも、あまり食事や酒の細かな描写は記憶にないですね(私が知らないだけかも知れませんが)。
それと、キリの「無双」にも同感です。

Uさん