「特殊映像技術の進歩には驚くけれど、肝心の物語は平凡だ。」アバター ウェイ・オブ・ウォーター いなかびとさんの映画レビュー(感想・評価)
特殊映像技術の進歩には驚くけれど、肝心の物語は平凡だ。
前作を観てから、かなりの年月が経過している。内容はすっかり忘れた。仮想現実の話だったとしか覚えていない。
この間の映像技術の進化は凄い。もう、CGで何でも描けてしまうが、肝心の物語は平凡である。伝統的な家父長制度の家族観で戦前に戻ったかのようだ。家族の絆は文学・芸術の永遠のテーマだ。第二次世界大戦後半、日本の青年は愛国心よりも家族を守るために出征し、多くは帰って来なかった。諸刃の剣である。
いくら仮想現実の話でも、槍や弓で現代兵器に対抗できるとは考えられない。竹槍をかまえた日本人にB29は容赦なく焼夷弾を落とし、日本の都市は焼き尽くされた。子供が見るからといって、そういう幻想を撒き散らしてはだめだ。
それと捕鯨を認めている日本に対する暗の批判を感じた。推測だけど捕鯨調査船は捕獲した鯨の供養をしているのではないか。万物に神が宿ると考える日本人の自然観からそう思う。
しかし、本当に特殊映像技術の発展には驚いた。この技術を用いて、ワグナーの楽劇「ニーベルングの指輪」を製作してくれないか。音源は20世紀後半最高の歌手を集めたDECCAの録音で。
映像技術に0,5点を加点します。
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