「現代の騎士道精神の象徴「007」が守ろうしている世界」007 ノー・タイム・トゥ・ダイ 山川夏子さんの映画レビュー(感想・評価)
現代の騎士道精神の象徴「007」が守ろうしている世界
日米同時公開の初日、TOHOシネマズ日比谷の午後5時の回に行きました。
本編の『ノー・タイム・ノー・ダイ』は007ファン大感謝祭といっても良いような内容でした。前作の『スペクター』で愛するマドレーヌのために危険な仕事をやめる決意をした(おそらく引退してMI6を辞めてる)ジェームスボンドとの再会、ダニエルクレイグ007の雄姿を拝めるのは今作が最後で、胸アツの上映でした。
前作でマドレーヌが告白していた幼少期の衝撃のエピソード。彼女を守ると父親のホワイトに約束をしたジェームスボンドの男の決意。
いつも女性を全力で愛して守り抜こうと奔走した彼。今作では、元007のジェームスボンドが、愛するマドレーヌを守るために命がけ、ダニエルクレイグ版のダイハードか?という感じもしてくるくらい、いつもとはちょっと違うテイストが加味されていましたが、アクションはやはり圧巻です。ガンファイトに格闘技、カーチェイスにバイクに、船に飛行機と、フルコンボで死闘が繰り広げられて、水攻め火攻め、爆発……。良つく暇もなく、胸のドキドキが収まりませんでした。
再会したMI6のメンバーたちもまた魅力的でした。前作で代替わりをしたM、Q、マネーペニーたちが魅力的で、彼らが登場する007をまた観たくなりました。新しく登場した黒人女性の00(ダブルオー)のノーミがおおらかで誠実さがにじみ出ている女性で、白人女性のパロマが、パロマむちゃくちゃ可愛い!なのにまたギャップがすごいので魅了されます。パロマ、一回きりのキャラだともったいないです。次も出演してほしいなあ。また続きを見たい! でもダニエルクレイグさんが最後なのかあ。
ITが発達した時代の犯罪は「敵が目に見えない!」。今回の敵は本当にあくどい、人類の敵! 怒りのジェームスボンドに呼応して、英国海軍・空軍も登場、「英国はやる時は全力でやる!!」をドーン!と見せつけてくれました。
「007」は英国人の騎士道精神を具現化した、英国人のアイデンティティに直結しているキャラクターで、ファンも英国の美学や心意気に共感して英国文化を徹底的に楽しむのが007の醍醐味なんだということを、今回実感しました。
というのは、公開初日の日比谷の劇場には、タキシード姿とドレスアップした英国人風カップルが数組、またタキシードで映画を観に来た大学生風の日本人男性グループ、スペクターでディナーの時にボンドが着ていた白いディナージャケットに黒いパンツのスタイルで来場して映画を楽しむお客様が以外と多くいらっしゃいました。
紳士的な会話と身のこなしで、スマートに行動していて、お客様も「かっこいい!」。
こんなの他の映画を見に行った時に体験したことがありません。
TOHOシネマズ日比谷のある東京ミッドタウンのエントランスには、ジェームスボンドのタキシードやアストンマーチンなども展示されていて、もちろん写真が撮れるようになっていて、
ここまでファンの心を掴んで人生に影響を与えている映画のキャラクターは他には居ないと思います。
楽しかった! ありがとう007!