劇場公開日 2023年11月17日

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「素晴らしいボンドをありがとう」007 ノー・タイム・トゥ・ダイ 白波さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5素晴らしいボンドをありがとう

2021年10月2日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

何度も劇場でトレーラーを見て、何度も劇場ででかい広告見て撤去されて、を繰り返してきた本作。満を持しての公開です。
正直007とは毛色の違う印象のキャリーフクナガ監督。
しかし開始直後から目を奪われます。
シリーズを通してですが舞台となるその情景の美しさがすごい。やはりIMAXにして良かった。
トレーラーで散々目にした壮大なアクションシーンは、序盤でほぼ見せてしまう贅沢さ。
それとは別に監督が日系だからなのか、随所に日本のパーツが散りばめられてます。
が、そこにあまり意味は感じなく、悪役サフィンの狂気性とオリエンタルの不可思議な部分をリンクさせたかったのでしょうか。日本人的に謎な演出でした。でもQの前掛けは冴えてると思いましたよ。
それとアナ・デ・アルマスが個人的に凄く光っていて、短い時間ながらとても良い風を入れていたと思います。超新人と超ベテランの息があった動きは気持ちよかったです。
全体的にテンポはゆっくりなのですが、アクションとサスペンス要素が実にバランスが良く、正に「カジノ・ロワイヤル」に始まり「トゥ・ダイ」で終わるといった印象。
クレイグ版007は振り返ると全て物語が繋がっていて、気がつくと15年程ですか?何だか感慨深くなってしまいラストではその背中に涙してました。
正にクレイグ版ボンドの最後を飾るに相応しい作品でした。
そしてダニエル・クレイグ、本当にお疲れ様です。
タフで熱くて泥臭い、素晴らしいボンドをありがとう。

白波