「任務に殉じた全ての人に」007 ノー・タイム・トゥ・ダイ LSさんの映画レビュー(感想・評価)
任務に殉じた全ての人に
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ウィルス様のナノマシンが触れた者を死に至らしめる。英国情報部のMが極秘に管理していた生物兵器は、遺伝子プログラミングで特定の者だけを発症させる安全なもののはずだったが、奪われて改造され、人類を終焉させる大量破壊兵器になった。
シナリオはコロナ禍より前に完成していたのだろうが、やはりパンデミック下の世界のアナロジーなのだろうと思う(感染死した人の葬儀で遺体に触れた親族が亡くなる話もあった)。そしてボンドも、任務は完遂したのに感染して最愛の人々にも触れられない身体となり、敵基地とともに自らを滅する。
結末はヒロイックで現実はもっと悲惨だが、それでも、医療従事者をはじめ、世界中で自らの職務を遂行する中で命を落とした、数え切れないほどのコロナと闘う人々を象徴しているように感じた。
ダニエル・クレイグの007は一通り観ているはずだが、ジュディ・デンチのMが死ぬエピソードぐらいしか覚えておらず。それでも全く問題なくストーリーに入り込めるのはさすが世界的超大作。アクションや秘密兵器は(007にしては)控えめで、落ち着いた風さえあった。肉体の酷使具合はすごかったな。ボンド提督に敬礼!(戻ってくるそうですが)
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