劇場公開日 2023年11月17日

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「劇場で見る価値のある、アクションは健在でダニエル・クレイグの007のラストに相応しい集大成的作品。」007 ノー・タイム・トゥ・ダイ 細野真宏さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0劇場で見る価値のある、アクションは健在でダニエル・クレイグの007のラストに相応しい集大成的作品。

2021年10月1日
PCから投稿

前作「007 スペクター」で綺麗にボンドはスパイを引退していたので、本作はファンサービスのような位置付けなのかもしれませんが、これまでのダニエル・クレイグ版の4作品を総括するような構成で、ラストの作品に相応しかったです。
逆に言うと、「007 カジノ・ロワイヤル」のエヴァ・グリーン演じるボンドガールの名前が「ヴェスパー・リンド」であることなどを忘れていると少し置いてけぼりを食らうことにもなります。
突然の監督・脚本家の降板などで時間がなかったことも関係あると思いますが、全体的に脚本が有機的に上手く繋がっていない点は惜しく、せっかくのラミ・マレックの悪役ぶりも、どこか中途半端な印象が残りました。ただ、能面での印象的な不気味さや、後半の舞台となる秘密基地での日本庭園風な様式美は日系アメリカ人監督ならではで良かったです。
また、女性の活躍を描くのは良いのですが、せっかく上映時間が007シリーズ最長だったので、もう少し新規の登場人物らに活躍させる場を作っていれば、なお良かったと思います。
いずれにせよ、これまでの007アクションは健在で、まさに劇場で見るのに相応しいスケールの大きな作品でした。

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細野真宏