「生み出すということは、大変だ」ライ麦畑の反逆児 ひとりぼっちのサリンジャー fukui42さんの映画レビュー(感想・評価)
生み出すということは、大変だ
一言、「生み出すことは、大変だなあ」。
先に謝ります。サリンジャー作品読んだことがありません(以前浜田省吾さんの記事で、名前を知った程度)。
いや、洋書を読んだことがないが正しい。
いかにして「ライ麦畑でつかまえて」が生まれていったか。
そのサクセスストーリー的な、ガッツポーズはありません。
何を書いても、編集者たちから「説明が多すぎる」「わかりにくい」云々のダメ出し。
加えて「パール・ハーバー」「ノルマンディー」等の戦争で受けた、心の傷。
そのPTSDに悩まされながら、執筆していく様は痛々しい。
作品が売れて、映像化(ビリー・ワイルダーの名前も出てた)を持ちかけられても。
自分の分身である作品を、他人に加工されるのはいや。インタビューもNG。
出版する=自分の手を離れるということは、大切に書いたものだからこそ。
その世界を守りたかったのかな。
印象的なシーン。後半書き悩むサリンジャーが、「瞑想」(なんて宗派?だったか忘れた)に出会い。
それまでの書き悩むシーンから、ちょっと後光がさした感じで原稿が進むところ。
心を落ち着かせるのは、大切なアイテムだもの。
「出版が全てではない」。編集者のアドバイスが、サリンジャーを孤高な作家に向かわせたのかも。
著書を読んでもいなくても。偉大な作家の半生を知ってもいいかもしれません。
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