「絶句」悪女 AKUJO U-3153さんの映画レビュー(感想・評価)
絶句
すげえ…
想像の範疇を遥かに超える映像だった。
どれほどの情熱と時間と労力があればアレに到達できるのだろうか?
ぶっちゃけ観やすくはない。
だがインパクトがそれを凌駕する。
アクションの最中に起こる事柄が、強烈なインパクトを残し、それが次々と更新されていく。
観たことはあるんだ、その事象の数々は。
だけど、あの角度からそれらの事象を観た事がない。
驚愕のアクションシーンだった。
そして、またストーリーがとんでもなく濃厚で…韓国らしいと言えばらしいのだが。
超絶面倒くさい!
投入しすぎだろとツッコミたくなる。
結果、彼女の生きてる理由でもある、父の復讐の為に殺してやりたい男が、1番愛した男であり、その愛情も仕組まれたものだったりなんて事がありはするのだが、まあ、それにまとわりつく人物たちが多種多様で…思いついたストーリーを全部捨てられないから、こおなっちゃいましたくらい比重に差を感じられない。
悪女なんて題名が付いてたけど、ここまで不運な女性にもそうそうお目にかかれないと思われる…。
大抵のアクションが売りの映画はストーリーが霞みがちなのだが、全くもって霞みもしない。どころか全然ヒケをとらない!
天丼大盛りに、天ぷら盛り合わせを頼むようなもので、それぐらい重い!
のだが…グイグイ引き込まれるって類のものでもない。
なんだが映画の文法をひっくり返したような映画でもあるんだけど、見せ切った訳なので、ここは賞賛するしかない訳で…。
見応えありました。
その証拠に見終わった後に缶コーヒーが半分程残ってた。
この映画を、撮った人物達はいい意味で、気が狂ってる。
また韓国にぶちかまされた気分だ。
…この主人公の生い立ちが回想としてブツ切れで挿入される形になっていて、時系列がぐちゃぐちゃだから分かりにくいんだけど、ザッと書くとこんな感じなのかと思う。
父がなんらかの希少な宝石の所有者。
その宝石を狙い、父を叔父が裏組織に頼んで殺害。
叔父に拉致され、少女買春。
買ったであろう男が裏組織(父親殺害の共犯)のターゲットで殺害現場に居合わせる。
その裏組織に身柄を委ねる。
暗殺者として英才教育。
その裏組織の男(おじさん)に惚れる。
おじさん(父親殺害の実行犯)と結婚、子供を身籠もる。
だがその結婚も実はおじさんの死を偽装するために仕組まれたものだった。
愛したおじさんを殺した組織に復讐し、壊滅させる。(オープニングのアクション)
逮捕。
国家のスパイ組織にスカウトされる。
整形と出産。
任務の達成と共に解放。
新たな身分を与えられる。
再婚。
再婚相手は、スパイ組織の管理業務を担当する男でどおやらコイツらは、解放したスパイ達と結婚という契約を経て永年監視すれば出世するらしい。
再婚した男の経歴を知る。
バラした男は、死んだはずのおじさん。
スパイ組織からも騙され、愛を感じた再婚相手から裏切られた。(と、刷り込まれる)
その相手と我が子を殺害される。
殺害したのは国家のスパイ組織(と思いこむ)
逆上しスパイ組織に殴り込む。
そこで、我が子を殺したのは裏組織の輩であると知り、そのボスはおじさん。
そして再婚相手は自分も自分の娘も心から愛してくれてたと知る。
またもおじさんに騙された主人公。
バスでのラス立ち。
壮絶な夫婦喧嘩の終幕。
ラストカット、ニヤリと笑う主人公の顔は、整形前の顔立にも思えた。
なんとも、入り組んだ人物造形だ…合掌。