劇場公開日 2020年8月22日

「戦時下の女性の苦悩を描いた映画」シリアにて eimeiさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0戦時下の女性の苦悩を描いた映画

2021年8月28日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

戦時下の女性の苦悩を描いた映画・小説は世界中にある。暴力が支配する世界になると女性の立場が変わり、苦悩することになる。日本の戦時中から現在のミャンマー(ビルマ)・アフガニスタンまで題材は尽きない。首都ダマスカスのアパートの一室での物語だが、戦時下の緊張感が伝わってくる。
私は、紛争前のシリアを旅したことがあるが、親切で明るい人々、アレッポ(ハラブ)やデリゾール(ハサカ)やハマーの美しい街並しか記憶に残っていない。紛争で、これらの街はがれきの山となり、人々は難民となり、ダマスカスよりもっとひどい状況に置かれている。「何でこうなってしまったのだろう」とシリア人も問いかけているだろうが、悲しいかな時間を戻すことはできない。
レバノンへ難民として行けても『存在のない子供たち』のような現状が待っているし、幸運にもヨーロッパへ難民として行けても『レ・ミゼラブル』のような現状が待っている。
シリアと同じようなことが、ミャンマー(ビルマ)・アフガニスタンにおいて現在進行形で進んでいるが、庶民が平穏に暮らせる国になってほしい。

eimei