「聖き水を愛した少女」聖なる泉の少女 突貫小僧さんの映画レビュー(感想・評価)
聖き水を愛した少女
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黒海に面したジョージア(グルジア〉に住むナーメ。俗世と切り離された神秘的な村で、火・風・土そして水の精霊に見守られながら暮らしている彼女。神が宿った大きな沼の水を信じ、ある男性の怪我を負った部分に「聖なる水」を丹念に塗り込んでいる。
村人がその沼の静寂や因習の守れているようで、実に神秘的である。ナーメが真っ白い魚を盥に水を張り飼っている。作品が非常に静かに淡々と流れていく。後半、その白い魚が盥のなかでグルグル泳ぎ回る。世界の流れと隔絶された社会が、ナーメと父親の日常を美しく描いている。ラストは、霧の中へナーメ消えていく場面は、保ち続けた環境の消えゆく様を描いている。
最後は、神秘的な沼さえ消えて行ってしまう所は、監督の環境への細やかな訴えに感じた。
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