「武器は「打たれ強い」ことだ!」負け犬の美学 kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
武器は「打たれ強い」ことだ!
勝者の影には必ず敗者がいる!一時期、勝ち組と負け組なる言葉が流行ってた。大嫌いな言葉だったが、これほどまでに負け組を称えた映画は数少ないはずだ。人間誰しもが勝ち組を目指しているはずなのに、そこには必ず敗者がいる。しかし、一見してへっぽこ、ぽんこつだったりする者にだって人知れぬ人生があるのだ。
45歳のボクサーというと、日本なら考えられないのだけど、たとえ負け越していても体力があるから認められているのだろう。49歳13勝という戦績にしても、ファイトマネーだけは貰えるのだから続けられる。ジムでの練習とアルバイト。家庭でも妻と子供二人を養っていくのはギリギリのところ。それでも娘の幸せを願う彼の想いは普通の親と同じなのです。
成績優秀な7年生の娘オロールはA+が11個も取って、父スティーブの公開練習を見たいとせがむ。しかし、雇ったチャンプのタレクは観客を煽り、スティーブを罵倒させるパフォーマンス。見ていられなくなって逃げ出すように会場を去るオロールの気持ちも手に取るようにわかるのです。
多くのボクシング映画はサクセスストーリーを描いているけど、中にはこんな映画があってもいいじゃないか!エンドロールでは大きく負け越している実際のボクサーの映像が流れるのですが、彼らの人生をも讃える作者の心意気にも拍手したい。
などとカッコいいことを書きたかったけど、高校時代にボクシング部に在籍したもののスパーリングが怖くなって辞めた負け犬が語るべきことじゃないな・・・
kossyさん、いいとこ、突きますね〜。
この映画、俺も、とても好きです。タイトルは、原題のまま、スパーリングでよかったんじゃないかとも思いますが。
そんなことより、kossyさんが高校時代ボクシング部ということの方が驚きか。自分の高校にはなかったもので。