「美学か、遠吠えか」負け犬の美学 ユージーンさんの映画レビュー(感想・評価)
美学か、遠吠えか
負け越しの中年ボクサーが、生活をかけて現役ボクサーのスパーリング相手として雇用されるも、年齢と戦績で周囲からは揶揄され、娘にはそんな姿を晒し、それでもボクシングにしがみつく苦い男の話に、なんともいえない感情を掻き立てられました。
下手の横好き、と一言で片付けられてしまうような内容ですが、それでもやめられない、夢を負わずにはいられないその気持ちには、共感せざるを得ませんでした。
ラストの、娘のピアノの演奏シーンには、痛みすら感じるほどの切なさがあり、観ていてつらかったです。
美学か、遠吠えか、それを観客に委ねるようなストーリー構成も、憎らしくて、好きでした。
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