劇場公開日 2018年10月12日

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「カソヴィッツが皮を突き破りたどり着いた第三形態」負け犬の美学 ぐうたらさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0カソヴィッツが皮を突き破りたどり着いた第三形態

2018年10月28日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

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つくづくマチュー・カソヴィッツは底知れない。数々のヒット作で飄々とした演技を披露したかと思えば、『憎しみ』や『アサシンズ』などの秀作の監督としても有名だ。そんな彼が『負け犬の美学』ではまた皮を破り、第三形態へと変貌を遂げてみせる。

すでに映画界では『ロッキー』があらゆるボクシング映画の表現を食い尽くした感がある中、しかしカソヴィッツの役柄は過去のどのボクサーとも違う。試合に負けても、サンドバッグのように猛打を食らっても、娘に情けないところを見られても、相手に食い下がってようやく仕事にありついても、彼の生き抜く姿勢にはどこか神々しい「輝き」が見て取れる。

ふと妻が投げかける「踊って」という言葉が胸に突き刺さる。どんなに底辺を這いつくばっても、リング上で踊る心意気さえあれば、その試合がまだ続いている証拠だ。人生終わってなどいない。この映画は真のファイターの姿を我々にまざまざと見せてくれた。

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牛津厚信