「何故ボクシングをするのか…」負け犬の美学 SHさんの映画レビュー(感想・評価)
何故ボクシングをするのか…
2017 TIFF competition
ボクサーの強さよりも弱さの方に重きを置いた作品。負けの方が圧倒的に多いボクサーがメインとなっているところが、何気に斬新。
弱いボクサーが負け続けても何故にボクシングを続けてきたのかということを、丁寧にじっくりと見せてくれて、非常に感動してしまった。
本当の元世界王者ムバイエとアマチュアボクサーでもあるというマチュー・カソビッツのファイトシーンは非常にリアリティがあって、終始画面に引きつけられた。
作品前半において金もないのに娘のためにピアノを買おうとする弱っちぃボクサーに苦笑してみたりするのだけれど、後々それが肝だったりして、シンプルな展開ながらも丁寧な演出を垣間見た。
思っていたよりも遙かに素晴らしい作品だった。
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