「Nocturne E Flat Major Op.9 No.2 by Chopin」富美子の足 いぱねまさんの映画レビュー(感想・評価)
Nocturne E Flat Major Op.9 No.2 by Chopin
wikiで調べてみると、この夜想曲は『甘美な旋律が装飾されて繰り返されるだけなので、それほど内容があるとは言えない、という考え方もある』と記述されてある。かなり皮肉めいた挿入歌であるが、劇中所々で数々のパターンで掛かっており、尚且つ主人公の女さえ口ずさむので、何かしらの意図があるのだろうが、それこそ『内容はない』のかもしれない。
映像効果はかなり凝っていて、音響と相俟って、なかなかキャッチーに仕上がっている。そういう部分ではかなり笑える部分もあり、自分の後ろの席の男2人が、馬鹿笑いしていたのは閉口した。
原作は、題名の通り、谷崎潤一郎の同名作で、未読。どうも30分もかからず読み終わる程の短編らしい。その意味では全編にフェティシズムへの喝采を歌い上げてるだけの作品であろう。しかも重症な患者であり、破滅への甘美に包まれる事への執着が大仰に描かれるテーマで、理解と言うよりも、滑稽な喜劇を観てみろという感じだ。
まぁ、主役の女性は、あくまでも裸メイン。演技よりもどれだけその艶熟な姿態をスクリーンに曝け出すかが重要な役回りなので、その辺りはキチンと弁えている。足フェチではないが、あの乳房は・・・素晴らしい(失礼)
それよりも、でんでんは相変わらずの妖しさを漂わせた演技なのだが、それ以上に、淵上泰史のただならぬ怪演に目を奪われた。あれだけのモデル顔にもかかわらず、あれだけぶっ飛んだ芝居をみせるギャップが大変愉快である。テレビドラマ『フリンジマン』で初めて認識したが、この俳優は化ける可能性大であると信じたい。
ストーリーは、ま、文学作品ベースなので、心の機微は観客が埋めろという手合いなので仕方がないが、もっとでんでんの追い込み方に工夫が欲しい所である。ラストのオチの『サッカー選手』は、人を馬鹿にしたオチで、これも或る意味痛快であったが、ホントはもっとドロドロした展開が欲しかったのだが、結局、ローション位しかドロドロにならないわなw