劇場公開日 2018年2月17日

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「本作も“サニー”になれるか…?」サニー 32 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

2.5本作も“サニー”になれるか…?

2018年10月3日
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鑑賞方法:DVD/BD

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今年新作続く白石和彌監督が、出世作の『凶悪』の高橋泉脚本、ピエール瀧とリリー・フランキーをキャストに招き、実録事件をベースにしたサスペンス。
白石作品好きとしては、あの傑作『凶悪』再び!…と、期待値がメチャメチャ上がったのだが…

中学教師の赤理はある日突然、中年男2人に誘拐・監禁される。
男たちは、14年前に小学生ながら同級生を殺害した史上最も可愛い殺人犯“サニー”の信者。
赤理はサニーと間違われ…。

あらすじだけは狂気的なサスペンスを彷彿させるが、『凶悪』級を期待すると肩透かし。ある意味、衝撃的でもあるが…。
ヒロインと誘拐犯たちとの緊迫感溢れるサスペンス…という訳でもなし。
新たな信者たちが集まって来て、怪しい宗教団体のような共同生活。
サニーの写真や動画をネット上にアップ。
ある日、本物のサニーと名乗る者がネット上に現れる。
赤理のクラスに心に闇を抱えた女子生徒がおり、彼女がサニーと同じ事をしようとしている事を知った赤理は…。
やがて、ずさんな誘拐劇の歯車が狂いだし…。
…と、エピソード的には盛り込まれているのだが、それらが巧みに交錯しているとは言えず。
はっきり言って、支離滅裂。しっちゃかめっちゃか。
着地点も定まらず。ラストも「え? これで終わり?」的な。
話だけを追うと、意味分からん。訳分からん。

なので、最初からヘンな作品として見ればそれなりにハマれる点もある。
狂気とバイオレンス描写とブラック・ユーモア。
このシュールさは、何処となく園子温作品を思わせた。
社会や世間も風刺。
殺人犯を神格化する輩なんて本当にネットの世界には居るだろうし。
サニーを神格化する信者たちは、怪しい宗教団体そのものか、キャスティング的に言えばアイドルに異常に熱を上げるヲタクか。

曲者役者たちは皆、怪演。
ピエール瀧とリリー・フランキーは期待通り。
他の面々も一癖二癖あり。
でも最も奮闘していたのは、主演の元NGTとやらの北原里英だろう。
序盤は拙い演技に大丈夫かと思ったが、次第に凄みと存在感を発揮。
異常な状況下で吹っ切れ、“サニーになり”、信者たちに啖呵を切るシーンは天晴れ。
怯え、縛られ、舐められ、血反吐を吐き吐かれの体当たり熱演。

とは言え、見る前の期待ほどではなかった。ビミョーと言うか、怪作・異色作・珍作。
本作の前が新境地の『彼女がその名を知らない鳥たち』、後が力作『孤狼の血』。それらに挟まれちゃ…。
でもいつの日かひょっとしたら、劇中さながらサニーのように、本作の熱狂的な信者が現れ、カルト作として神格化される…かもしれない。

近大
アンディぴっとさんのコメント
2020年11月22日

近代さん、やっと観れました😁

アンディぴっと
アンディぴっとさんのコメント
2019年8月20日

WOWOWで観る予定だったのに、あの事件で放送されなくなってしまった😭
とても残念。

アンディぴっと