「予想外…」最初で最後のキス ジュンさんの映画レビュー(感想・評価)
予想外…
なんか思っていた展開とは違ったことになりました。
正直、びっくり。
学校のはみ出し者3人が仲良くなり、その中で恋愛が絡み合って結局…、というストーリーなんだけど、
最近、ゲイを扱った映画を数本見たけど、どれも大枠でハッピーエンドだったので、このエンドは衝撃。
広げられた風呂敷をどう畳むか。友情と恋愛、ゲイセクシャルなど、絡みった要素をどう紐解くかを見るつもりでした。紐解かれるものだと思っていました。
でも、現実はそうはいかないこともありますよね。
映画のラスト、ブルーが2度とこんな悲劇が起きないように、知恵と勇気を持つことが大事だ、とメッセージを発します。
そしてアントニオがロレンツォの誘いをうま~く断り、関係は続けば仲良し幸せエンドだった、のような演出。
果たしてそれは正解なんでしょうか。
アントニオはロレンツォほど、自分を曲げない強さは持っていなかった。二人に影響されて、自分を持つようになったのかもしれないけれど、結局孤独になるのが怖かった。周囲から色眼鏡で見られるのは嫌だった。
どっちが正解ということもないと思う。ロレンツォだってもう少し待てばよかったのかもしれない。
学校は閉鎖的で、そこだけがすべてのように感じられるかもしれない。でも本当は世界はとっても広い。もっと広い世界を舞台にすれば二人の関係も違った展開があったと思う。
あと、親たち。
主人公3人に対して、そのそれぞれの親もまた、それぞれの角度から人間の脆さや強さを表していたように思います。
そして、どの人も完全ではない。みんな不完全です。
これがハリウッド映画とかだと、完全なアンサーを提供して主人公たちを導くガイドのような大人が登場しそうですが、ここにはいない。
だからこそ最後の展開になったのだと思う。
深く考えれば考えるほど、悲しい。
なんで、どうすれば、を考えさせる意味でこのエンディングは正解だったのかもしれません。レビューを書いていて思いました。