ダンシング・ベートーヴェンのレビュー・感想・評価
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ベタ足の素足でタップ見たいな踊り
第四楽章の終盤にバレエシューズを履かずにベタ足の素足でタップ見たいな踊りを踊る場面が、印象的だった。そのまま、歓喜の歌のテーマに入る。カットされていたが通して見てみたい。
躍動
2014年のNHKホールでの本公演を観ていませんのでメイキングである本作を評して良いものか悩みます。今年の上野での再演もコロナで延期になったようで残念ですね。
ドキュメンタリーとしては様々な切り口で描いているので感心しました。
第2楽章のプリマドンナのカテリーナ・シャルキナさんが稽古途中で妊娠降板というのも驚き、日本だったらプロとして云々などと批判的な声がでるでしょう、ところが劇団の皆が新しい命の息吹を喜んでいました、素晴らしいお仲間ですね。振り付けも花や鳥、虫たちの仕草に模しているように感じます、ですから自然であることの大切さが尊ばれるのですね。
ナビゲターのマリヤ・ロマンさんはモーリス・ベジャール・バレエ団の芸術監督ジル・ロマンさんの娘さん、お母さんのキーラ・カルケヴィッチさんも第三楽章を踊られたダンサーです。マリヤさんが指揮者のズービン・メーターさんに「耳の聴こえなくなったベートーヴェンが公演をみたら音を観ることになりますね」とインタービュー、どう思ったか興味のあるところですね。ひょっとして企画を立ち上げたモーリス・ベジャールさんもベートーヴェンに捧げる気持ちで創ったのかも知れませんね。驚いたのは円舞のシーンで能舞台のような踏込みを演じているように見えたことです、日本文化の造詣が深いモーリス・ベジャールさんの感性はまさにワールドワイドですね。
ベートーヴェンとバレエの融合、なんと壮大で幻想的な舞台なのでしょう。
「希望はつねに勝利である」
故モーリス・ベジャール の振付によるバレエ作品 ベートーヴェン『交響曲第九番』公演の舞台裏をインタビューや練習風景などで構成する。
インタビューに驚かされるのは、演者や関わる制作者(振付、音楽、舞台芸術など)たちがみな深く抽象的な思索をしている点。その点、インタビューに応じていた東京バレエ団の振付師は感覚的で稚拙な言葉しか持っていなくて、とても残念な感じだった。
作中に出てきた「ベートーヴェンは第九を作曲した当時、すでに聴力を失っていた」「それでは、ベジャールの第九は音楽を見るための試みといえるのでは」というやりとり、ラストにインタビュワーの独白で引用されるベジャールの「希望はつねに勝利である」という言葉がとても印象的だった。
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