荒野にてのレビュー・感想・評価
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評価が難しい
居場所がない
居場所がない。
15歳にして完全に行き場所を失ってしまった少年チャーリーは、売られる運命の競走馬ピートと、唯一の希望、伯母のところへ向かう。
...と書くと「母をたずねて三千里」みたいだが、まああれも相当過酷だが、主人公の孤独が想像を絶している。彼は大人が手を差し伸べようとするたびに逃げる。何が彼をそうさせてしまうのか...誰にも頼れない少年が、唯一頼れる(もはや依存とも言える)のはもの言わぬ馬のピートであるあたりが特に悲しい。チャーリーがピートに「乗らない」のは、おそらく支配したいのでなく、寄りそって、寄りかかっていたいから。原題の通り、”lean on”したいからなのだろう。
彼の本音は「つらい、寂しい、助けて」なのだけれど、周りにそれを見せられない状態で育ってきてしまった悲しみ。頼れる者を持たなかった少年の孤独がひたすらに沁みる。
しかし彼は究極的に優しい。馬にも人にも非情になりきれない。だからこそ余計に苦しめられる。
寄りかかれる存在を喪ってなお、ようやく辿り着くラストに彼の平穏を祈らずにはいられない。
「ゲティ家の身代金」にも出ていたチャーリー・プラマー、さすがマルチェロ・マストロヤンニ賞ともいえる演技。想像を絶する孤独の過程を全身で表現していた。そして声だけでそれと分かるスティーヴ・ブシェミの安心感たるや...。大人の論理を見せつけつつも案じるその感じがよかった。
おばちゃん涙が止まらず!
1:1.85(アメリカンビスタサイズ)
タイトルは馬の名前
Lean on Pete ピートに頼るって意味?
ウィリー・ブローティンの同名小説が原作
伯母を訪ねて三千里
馬が死ぬ
ロケはオレゴン州各地
物語はポートランド(オレゴン)、ポートランド・メドウズ競馬場(もうすぐなくなるらしい)からボイシ、アイダホ、ワイオミン州ララミー
アメリカ北西部
車が移動する場面や川の場面はポートランド東南東にあるフッド山近辺の山岳部で、そしてさらに3週間かけてオレゴン州バーンズの小さな集落で砂漠の場面を撮影
チャーリーの最初と最後は別人のよう
ブシェミが普通の人に
チャーリーの親父役の人が良かった
イントゥザワイルドを思い出した。若い人に観て欲しい
それでも彼らは生きていく
これはラスト10分号泣してしまった
シングルファーザーの家庭で暮らす15歳のチャーリーは、お父さんが夫のいる女性と不倫した果てに、彼女の夫に襲撃され、亡くなってしまう
天涯孤独になってしまったチャーリーは、殺処分が決まった馬のピートと共に旅に出る
これは、そんな一人の少年チャーリーと一頭の馬ピートのロードムービーである
お父さんを亡くしたチャーリーにとって、頼りになるのは馬のピートだけ
その先に何があるのかわからない彼らの目の前には、ただひたすら広くて何もない荒野が広がっている
それでも少年は、その先に希望がらあると信じて前に向かって進んでいく
この世には、チャーリーのように温かい家庭に暮らすことが夢だという子供たちがいることを改めて思い知らされた作品だった
頼れるのはお互いだけという彼らは、生きていく方法をストリートで身につけ、いつか、温かい家庭で暮らせるんだという希望を持ち続ける
旅に出て、どんどん逞しくなっていくチャーリーを観ながら、生温い家庭で育った子とは違う、大人っぽい雰囲気を感じたけれど、ラスト10分、やはり、少年だったんだと思わせる彼の姿には涙が止まらなかった
そんなチャーリーを観ていると、人はどんな環境でも生きていけるんだなと思ったし、前向きに生きる力をもらった映画だった
主役のチャーリーを演じたチャーリー・プラマーの寂しげな表情に、ほんのりリバー・フェニックスを感じて、これからの期待の星だと思った
彼は既に「 ゲティ家の身代金 」で世に出ているけど、新し物好きな人は要チェックの新星です
それもこれも犯罪です
母親はおらず仕事はしているけれど遊び人な父親と二人、父親の仕事の都合でポートランドにやってきた15歳の少年の話。
不良ではないけれど、家庭の都合か学校には行かずプラプラしている主人公が、馬運車のパンク修理を手伝ったことから、草競馬の厩舎でバイトを始めリーンオンピートという競走馬と出会う。
始めて世話して、始めて競馬に触れて、しかも勝つところを立て続けて見て惚れてしまったのはわかる。そこはわかるし何とかしたいと訴えるのもわかるが15歳だよね?あまりにも稚拙だし、自分本位で最早ピートのことすら考えていないというね。
自分本位でもそこから何かを学び成長したなら良いがそんな感じはないし、その後の出来事からも結局何も学んだ様子はなく終了。って甘過ぎませんかね。
展開のさせ方や空気感とかテンポが良いから作中に結構引き込まれたしみられたけれど、あまりにも何もなくがっかりだった。
少年なりの…
馬、全然関係ないし。
ロスアラミトスへの道は遠く
チャーリーのことを応援したくなる映画。
前作の『さざなみ』の監督のことだけある。
人間の心の中を描くのが非常にうまいですね。
前作は熟年夫婦のすれ違いを描いた作品でしたが、今回は15歳の少年の人生を描いた作品。
このチャーリー君の演技が天才的!
なんともいえない切ない雰囲気が、母性本能をくすぐるというか…。
見ているだけで、彼を応援したくなるから不思議です。
愛人の夫のに父親を殺され、天涯孤独になってしまった少年は、突然消息を絶ってしまった叔母を訪ねて荒野を旅することに…。
母をたずねて三千里のような、転々とした旅の連続に、終わりはあるのかと不安になります。
唯一の救いは、旅のお供の愛馬ピート。
競走馬として働けなくなって、殺処分されそうになった愛馬を連れて、叔母に会いに広い荒野をひたすら歩きます。
それにしても、不幸な少年。
次から次に巻き起こる難題に、なんでこんなに不幸なんだと思ってしまいます。
素直な人ほど悪魔につけ込まれてしまうのでしょうか?
少年の純朴さにつけ込んで、神様が意地悪しているとしか思えない。
少年を愛おしむあまり、最後は絶対救われて欲しいと願わずに入られませんでした。
だからこそ、ラストに待っていた展開には感動しまくり!
チァーリーの愛らしい姿と、その優しい性格に涙が出そうになりました。
だだっ広い荒野で1人取り残される孤独を体験したからこそ、叔母の愛情により一層安らぎを感じられたことでしょう。
最愛の父最愛の友を一瞬にして亡くした少年は、この荒野での経験を通して、一歩大人になったではないでしょうか?
最後に…
主人公のチャーリーという役名が、実際の彼の本名と同じだったことにびっくり!
あの素晴らしい演技は、本名だったからこそ、成し得られたのかもしれません。
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