スリー・ビルボードのレビュー・感想・評価
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良かった…。 人はみんな紙一重で、他人に傷付けられるけど、他人に救...
良かった…。
人はみんな紙一重で、他人に傷付けられるけど、他人に救われる。許されると、自分も許す。強がってても弱くて、ギリギリで、拠り所がそれしかなかったり。
上手く言えないけど、全編通して乾いて伝わる熱が物凄くて、凄い映画だった。
弱者利権
怒りの赤が徐々に変化していく物語に軽やかな音楽が良く映えていた。
が、見飽きたキリストのモチーフが鼻につく。
また、キャラクターの殆どが短絡的な思考の持ち主であり、倫理観もおかしい。
ウィロビーの死はヒロイズムに酔った身勝手なものであるし、ぶち壊された学校生活を無理矢理肯定させる様なロビーの結末にも疑問符が付く。
赦しが赦しを来すとでも言いたいのだろうが、ディクソンは兎も角、ミルドレッドは怒りも赦しも徹頭徹尾上から目線であり、嫌悪感を抱いた。
直情的に暴力を振るえる馬鹿が羨ましいよ。
勝手にやってろ。
人間の猜疑心
人間は不幸と猜疑心が重なると事実を確認せず思い込みで行動してしまうことを描写した映画でした。
憎しみと期待する解決のための行動の進捗がミスマッチすると正義感と整理して突き進んでしまうことは、日常にもありますよね。
面白い視点での人間の心の動きの描写が良かったです。
何てことない映画
何てことない映画といえば何てことない映画。でも、登場人物がみんな人間臭くて「あー、わかるなー」と思えてくる。大きな後悔と行き場のない怒りと悲しみと、ほんのちょっと希望を持ってて心の中はドロドロなのに、流れる音楽はほのぼのと暖かくてやるせない気持ちになった。絶妙。
なんと!
そんな終わりかた?
これで良いの?
なんか、目的と手段が変わっていない?って感じだったが、いろんな人々の事情が絡み合い、あの終わりかたというか、顛末は現実的なのかなぁ…とも思え、観た後すぐは納得していた。
ただ、一方で、被害者の苦しみみたいなものがあまり前面に出ず、犯人逮捕だけを切望していることろに違和感もあり…。つまり、捕まえた犯人を殺すつもりだったの?(何のために犯人逮捕を熱望したの?)とも…。
それが最後の場面にも関わってきて、しばらく時間が経つと、単に被害者として泣き寝入りしない復讐鬼のお話なの?とも思えるようになり、違和感が大きくなった…。
いろいろ裏切られる
はじめ、サスペンスかな?と思ってみていたら、全然違っていい意味で裏切られました。人種差別が強い南部の小さな田舎町で巻き起こる、愛憎混じった濃い人間ドラマです。それにしても、署長役のウディ・ハレルソンがすごく良い人でしたね。ディクソン役のサム・ロックウェルの小物っぷりが見事でした。ストーリーはある事がキッカケで、もつれていた糸が解けるように、カタルシスが解放されます。安易なラストよりこっちのオチの方が、今作ではいいような気がします。
中盤の大仕掛以降は誰にも想像できない!
凄まじい脚本!皮肉交じりの言葉を紡ぎながら予想を裏切り続ける展開のツイストが見事!特に中盤のある意味『L.A.大捜査線/狼たちの街』的な大仕掛以降はまるで予想できない!怒りの連鎖が向かう先は愛だった。愛を以って赦し連鎖を断ち切る。怒りの裏には愛があったと気付く
マーティン・マクドナー監督は前作の『セブン・サイコパス』ではよくいるタランティーノフォロワーの一人にしか思えなかったけど本作ではコーエン兄弟の域に達しているとすら感じた。そういえば前作でもクリストファー・ウォーケンが怒りの連鎖を断ち切るベトナム人サイコパスの話をしていた!
実にキリスト教的な物語ではあるけど普遍的に響くものがあると思う。今年公開の作品でいうと『パディントン2』『デトロイト』も「大切なのは愛だ」と説く物語だったけどこれは偶然じゃないよな。忌野清志郎が今も生きていたら「愛し合ってるかい?」と歌い続けていることだろう。知らんけど
俳優陣も素晴らしい。フランシス・マクドーマンド演じる過激派クソババア(ババアはいらない)もサム・ロックウェル演じる「その男、凶暴につき」も複雑な心の変化を表現していたと思う。ウディ・ハレルソンも『ムーンライト』におけるマハーシャラ・アリのように「ある展開」の後も存在感を示し続けた
ほとんどの登場人物が初めに見せる顔とは違う顔を見せるあたり彼らが本当に生きていると感じられた。個人的にはピーター・ディンクレイジ演じる小男が突如見せる苛立ちが印象的だった。現実の社会には書き割り然としたキャラクターなんておらんもんな
『スリー・ビルボード』は全体的にコーエン兄弟のようなトーンでありながら中盤の『サイコ』『L.A.大捜査線/狼たちの街』を彷彿とさせる大仕掛以降は『許されざる者』よろしく登場人物が違う顔を見せはじめて最終的には予想もつかないところに着地する。それこそ『ノーカントリー』とは真逆の
そういえば『スリー・ビルボード』には多分北野武の『アウトレイジ』オマージュと思われる歯医者での暴力シーンがあって嬉しかった。マーティン・マクドナー監督は『セブン・サイコパス』でも『その男、凶暴につき』を劇中で見せたりほんまに北野武が好きなんやな
なんなのこの満足感は。
なにか特別なアクション、コメディがあるわけでもなく、どちらかと言えば、というかかなり悲しい話しなのに、見終わった後の幸福感に満たされる感じ。こんな自分でも訳の分からない感情になる映画は初めてです。この映画に出会えたことき感謝だし、観た自分を誉めたいくらいです。間違いなく後世に残る一作だと思います。
アカデミー賞受賞が証明している👍な作品
-0.5なのは、作品の締めくくり方が好みじゃ無かったから。
終始次は、次はと気が背いるのを自覚した。基本的には街の住人は皆いい人だから、スムーズに事件が解決しない事が本当に歯痒いし辛い。
息子役の子って、『マンチェスター・バイ・ザ・シー』の子だよね⁉️また、両親や家族に翻弄されている笑。
署員がレイシスト(人種差別主義者)、住民を恣意的に逮捕する、署員が自殺、警察署に放火されても犯人が検挙されない、市民を殴打し2階の窓から放り投げる、
Movix堺で映画「スリー・ビルボード」
(Three Billboards Outside Ebbing, Missouri)を見た。
観客は我々夫婦を含めて5人。
イタリアのベネチア国際映画祭で脚本賞、カナダのトロント国際映画祭でも最高賞にあたる観客賞を受賞するなど各国で高い評価を獲得した作品だが、日本での興行成績はどうだろうか?
娘をレイプの末に殺された母親が、犯人が数ヶ月経っても摘発検挙されないことに抗議するために道路沿いに3枚の看板を出した。
そのことで母親と警察や住民との間でさまざまな摩擦が起こることになる。
知っている役者はウッディ・ハレルソンだけ。
個人的にはウッディ・ハレルソン出演作ではベストムービーかもしれないと思った。
米国の田舎の町の警察は、(今作ではミズーリ州)
署員がレイシスト(人種差別主義者)、
住民を恣意的に逮捕する、
署員が自殺、
警察署に放火されても犯人が検挙されない、
市民を殴打し2階の窓から放り投げる、
目を覆いたくなるような警察組織だが、
終盤はハートウォーミングな展開になる。
新しい署長はいい人かも。
ラストは余韻を残した場面で終幕となる。
上映時間は116分。
満足度は5点満点で4点☆☆☆☆です。
正直よくわからない
結末があんなふうだし、正直よくわからない。
白人警官による黒人射殺等、この国にいてはよくわからない部分がある(ダメな作品というつもりはないが)。
アメリカ国内の評価は別にして、アメリカ国外で誉めそやすのは
いかがかと思う。
ベネチアの脚本賞は納得。だが・・・
2017年第74回ベネチア国際映画祭で脚本賞、同じく2017年のトロント国際映画祭でも最高賞にあたる観客賞を受賞。
ベネチアでの脚本賞は納得ですが、トロントの観客賞は・・・、トロントの人は目が肥えているんですね。いや、脚本賞が納得なので、悪くないんですが、終わり方がね。わかったような、わからなかった様な。こう言う結論が宙ぶらりんの、オープンエンディングとでも言うような作品は少なくないんですが、この話の内容で、そう来るとは思いませんでした。オープンエンディングの作品が合うのは、人生模様だったり、人そのものを描いた様な内容だと思うんですが、この作品は?まぁ、“ある意味”人を描いてはいるので、良いのかなぁ?
そんな風に思わせられるほど凄い演技を見せたのは、フランシス・マクドーマンド。いやぁ、これを見ると、フランシス・マクドーマンドは「実はこう言う人なんだ」と誤解しそうです。この作品で、ゴールデングローブ賞主演女優賞(ドラマ部門)を受賞するだけの事はありますね。
それと、なんとも言えなかったのが、警察署長を演じたウッディ・ハレルソン。彼、良いですよ。抑えた演技、泣ける。そして、その最後も泣けるんですけどね。
それにしても、アメリカの田舎町って、やっぱりいまだにこんな感じなんですかね?そういう観点でも、なんだか、複雑な気持ちになる作品でした。
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