スリー・ビルボードのレビュー・感想・評価
全366件中、281~300件目を表示
テーマはすれ違いと赦し?
人種差別あり、暴力警官あり、恩を仇で返すようなところも。。
単純に復讐に燃えている母親像ではなく、私には自分が抱えている後悔の念を、他に怒りをぶつけることで必死にごまかそうとしているようにも見えました。
警察や周囲の人間や街を巻き込みながら崩壊していく様が続くのかと思いきや、数少ない良心である署長が。。
物事は何も解決していないのに、意外にも心地よさを感じさせるのは、そこに赦しがあったからじゃないでしょうか?
派手さはないですが、良い映画でした。
2回目の鑑賞でも間違えなくこの点数が付いた。
それくらい素晴らしい人間劇。
登場人物だれもに感情移入できるし、でもストーリーにも衝撃を受けていくという映画として最高のバランスで時が流れていく、それも美しい音楽とともに。
今回はブルーレイ版で、特典映像も共に観れたけれど、メイキングもよかった。
特に出演者たちが意志をもったうえでさらに、マーティンマクドナーの意図も汲んでいるのが、素晴らしい。映画つくるのに最高の環境だったんだろうと思う。
しかも脚本が本当に精巧にできていて出演者はアドリブを全く入れてないってのも凄くて、それでいてあの自然体、あのリアリティ。信頼関係の成せる技というやつですな。
あのワンカットシーンの舞台裏も見れるので、ブルーレイ版は本当におすすめ!
未公開映像も、どのシーンも意味があって、重要なシーンだったように思えた。もっと各キャラの人格を掘り下げるようなね。
ショートフィルムの「SIX SHOOTER」もあの短時間でここまで響くってなかなか無いなと。まあまあの刺激的作品。考えることも辞めたくなるような。
でも本作にしても”考えることも辞めたくなるようなこと”がだれかにとっては、生きがいレベルで本当に重要だったりして、それがその人の正義とかモラルに繋がってくるんだよなあ。
もうフランシスマクド―マンドもサムロックウェルもあっぱれ。
続きを想像するのも面白い、深くて深くて広大な自然だけが、逃げ場のような作品だった。
音楽の選曲が最高
冒頭はアイルランド民謡『庭の千草』として親しまれている「夏の名残のばら(The Last Rose of Summer)」。歌っていたのは、超人気オペラ歌手のルネ・フレミングだったらしい。なんとなく賛美歌をイメージしていたら・・・。エッ、そういう展開?古びた野立て看板を見た女主人公が、アイディアを思い付いた瞬間に音楽が!マカロニウエスタン?
主要な登場人物には、それぞれテーマ曲のような挿入歌が用意されていて、まあ上手くはまっていること。驚くばかりです。
本当にひっくり返りそうになったのは、『ABBA - Chiquitita(チキチータ)』。お前がこれ聴くか!?という使い方で意表を突きます。映画全体がこんな感じでした。
主人公の心の動きが、音楽で見事に表現されていました。これは映画ならではだと思いました。大自然の中で流れるギターの音色。出口の見えない物語の唯一の救いだったかも。
ずっと緊張
傑作。
いやー掛け値なしの傑作だった……なんという面白さ…!
「レイプ殺人で娘を失った母親が、捜査が進まないことに業を煮やして警察組織と対立する」というハードでシリアスな設定なのに、辛めのブラックジョークがちりばめられていてとにかく笑える。
いや、笑えない人もいるかも?少なくとも私と両隣はずっと笑ってた。
で、笑った5秒後にはもうたまらなく切ないシーンだったりして、感情がどんどんぐちゃぐちゃになって、ストーリーも全く予想外の方向に転がっていって、最後にはもう自分でも何だか分からないまま震えるほど泣いてた。
前半からはまるで思いもよらない、でもとても自然な、これ以外にないと思えるような素晴らしいラスト。
そこで彼女が笑った時、それまで彼女が一度も笑いも泣きもしていなかったことに初めて気づいた。
この7カ月、彼女が感情を失っていたことに。
「映画の主人公は、観客が感情移入できる存在じゃなきゃいけない」なんて決まりは無いのと同じく、被害者や被害者家族が「被害者らしいふるまい」を強要される筋合いも全くない。
でも世間は被害者を「かわいそう」と思いたくて、「かわいそうであること」を期待してしまう。
彼女は「かわいそうな被害者家族」なんてレッテルを貼られることを全力で拒否し、どんなに嫌われても、危険な目に遭っても、自分の信念に基いて行動する。
彼女の行いは褒められるものでも共感されるものでもない。
でも人は褒められるためや共感されるために生きるわけじゃない。
そして、嫌われても、批判されても、「そうしないと生きていけない」時もある。
…というメインテーマの周辺で
「当人同士の気持ちと、メディアや外野から見える関係性はまるで違う」
「同じ非人道的行為でも、それを行う場所で罪になったりならなかったりする」
などなど、日本に住む我々にも心当たりがあるような示唆的な場面が散りばめられている。
「人間は愚かで愛おしい」なんて生易しいものじゃない。
人間は愚かで、愚かで、愚かで、でもほんの少しはいいところもある、かもしれない。
例えば、嫌いなヤツのコップにもジュースを注いであげるぐらいには。
あ、それと、イヤホンで音楽を聴く行為がいかに危険か、という啓蒙映画でもある!
感情移入タイプではありません
佳いドラマ
間違いなく最高の映画体験
すべてに意味がある無駄のない作品
凄いおかん!
余韻がハンパない
予備知識なしで観ました
さすがアメリカ現代映画
SNS時代の問題点を浮き彫りに
なるほど、噂通りのすごい映画だったけど、私にはちょっと恐ろしい映画だった
アメリカ ミズーリ州の小さな田舎町エビング
娘がレイプされ、殺されてしまい、未だ犯人が逮捕されないミルドレッド
そんな彼女は警察の不手際を告発する3枚の看板を立てる
その看板をきっかけに静かだった田舎町の町民を巻き込み、さまざまな事件を引き起こしていく
心の声を活字にすると、読み手によって、それは暴力にもなり得ると思った
ミルドレッドがしたことは、まさに現在、私たちがツイッターやインスタやフェイスブックを使って、様々なできごとに対し批判や抗議をしているのと何も変わらない
そこにあるのは、正義感かもしれないし、悔しさや憎しみといった負の感情かもしれない
私たちはツイートすることで世間に問題を提起し、なんだか良いことをしたかのような気分になる
賛同してくれる者もいれば、反対する者もいて、両者が議論をしているうちは良いけれど
それはいつしか「魔女狩り」へと発展していってしまう
「文字」というものは読み手によって様々な感情を引き起こし、問題をエスカレートさせるだけなのだ
それでは、レイプ事件だけでなく、人種差別や偏見といった問題は何も解決しないのだ
これは、まさに今の時代だからこその作品だと思った
アメリカの南部の田舎町が、何でできているのかを観た気がしたし
ラストの晴れやかな表情が私の気持ちを暗澹とさせる映画だった
一筋縄ではいかない人間の表裏
町山智弘さんのオススメで観に行った作品。
人は見かけによらないと言う話。
理不尽な殺され方をした娘の母の話といえば
何だか可哀想にと思うが、
それが実は遊んでばかりの自堕落な娘と
子供にも悪態をつく怖い鬼母となれば
最初の印象からはちょっと感じ方が変わってしまうよね〜。
そんな、ある人は実はこうで、
この人も実はこんな弱点があって
さらにあの人にもこんな面があってと
そんな一筋縄ではいかない人間の表裏が見事に絡み合って
話は思わぬ方向へ転んでゆく。
登場人物だけでなく観ているこちらも自分自身の裏表を思って
胸に手を当てて、自分にもそんなトコロあるかも〜〜
面白いけれどなかなかに考えさせられる。
★もう一度観るなら?「有料配信などでじっくり観たい」
迂闊に語ると怪我をする⁉︎
全366件中、281~300件目を表示












