スリー・ビルボードのレビュー・感想・評価
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迷走
どのキャラも俗っぽい。
いい意味なら、映画っぽくない。
悪い意味なら、とっちらかってる。
この映画自体がそうだ。
話の軸はあるものの、そこの解決はなく、周囲がドタバタと騒がしい。
本筋と全く関係ない事が、やたらしつこく進行していったり。
そおいうものなのかもしれないが、そおいう時間の流れをかいつまんで脚本というものは出来上がるのではなかろうか?
この脚本から感じるのは「怒れる老婆」である。なぜ彼女がここまで偏屈に頑なに頑固なまでに強くあるのかの背景が終始語られる。
最後の一言だけだよね。
人との邂逅を成し遂げたのは。
それが〆なのだが…なんとも居心地が悪い。
時折「?」と思える表情などもあり、アクションとリアクションが噛み合ってないような気もした。
映画は終わったけど、実際には何にも終わらない作品。
わざわざ映画にせんでもよかろうに。
軸
すごく面白かった!
良いと思った理由をあげました。
①話し
娘が殺された…。これを軸に話しが始まるのだが、いわゆる「作品」らしくそれを完結させようとしなかった所がリアル。実際には関係ない事も多々あるよね、そう簡単に解決しないよね、という表現で誠実。
ダレる事なく終始惹きつけられた。
どこに向かうのか展開も終わり方も読めず面白い!
②演技
マクドーマンドの悲しみ疲れ不良感が、とても良かった。主演女優賞でもおかしくないと思いました。
3つの看板って、個人的に題名からの期待値は低いものの、オスカー争いで話題もあり足を運ぶ事に。観ている最中から前評判もなるほどの展開でした。
オススメです。終わり方も好き。
解決しないのね。
広告を掲示したことから起こる、警察や署長の支持者からの風当たりの強さに、動じないミルドレッドやだが何度も衝突し合ううちに周りの親切心に気付いていくヒューマンドラマっぽい映画で意外性をつかれました。
特に2Fから広告社のレッドを突き落としたいかにもクズなディクソン巡査が改心していく様はビックリです。
子を思う母の強さを感じました。
ストーリーは、レイプされて殺された娘の母が、犯人を捜すべく3枚の広告に警察に対するメッセージを記載したことで住民の間で様々な軋轢が生まれて話が流れていくという内容です。その広告に記載した内容は、次のとおり。
「娘がレイプされ殺されたが、犯人はまだ捕まっていない。ウィロビー署長、どうしてですか。」
このウィロビー署長は誠実で人当たりも良く、住民からも好感を持たれています。また、ガンを患っていて死期が近いのです。そのため、署長を慕う住民がその母に看板を取り下げるよう申出をしますが、母は、「犯人をしっかり捜してくれればよいだけ。その責任は署長にある」と意に介しません。母の目的は、娘が殺されて7ヶ月が経過したが、捜査が進んでいるように見えず、このままこの事件が忘れ去られてしまうことを恐れたようです。私もその気持ちは、分かります。事件、事故又は震災であっても片が付いていない(解決していない)状態であっても、人々の脳裏から忘れられてしまうというのは、恐ろしいことであると思っています。
ただ、今回の事件は証拠が犯人のDNAしかなく、また前科もないためなかなか犯人を捕まえるのは難しい状況なのです。
一般的に犯人を捕まえようとする目的は、私は二つあると思っています。一つは、罪を償わせること、もう一つは、他の人に危害を加えるのを防ぐことです。今回の事件のように性犯罪であれば、犯人が他の人に危害を加える恐れがかなり大きいと思っています。そのため、早く捕まえないと犠牲者が増えてしまいます。
多くの人は犯罪に関わり合いたくないと思っています。平穏な生活を送りたいと思っています。しかし、往々にして理由なく巻き込まれてしまうことがあります。その時でも明るく、前向きに生きるしかないと思っています。いつまでも気にしていてもいけないと思っています。私も偉そうなことを言っていますが、現実にそのような状況になったときにはどうなるのかわかりません。
今回の映画は、子を思う母の気持ちが痛いほど伝わってくる映画です。犯罪に巻き込まれたときにどう生きればよいのか考えさせてくれる素晴らしい映画ですので、時間の許す方は、是非、ご覧になってください。
人物描写が深い名作
娘を殺された母親がいつまでも犯人を逮捕できない警察(署長)に対して意見広告を出したことにより小さな町にまきおこる出来事。
ありがちなステレオタイプ描写にとどまらない名作です。
娘を殺された母親は必ずしも聖人ではない。事件後の言動も極端すぎるし、自分本位です。事件前に至っては、ダメ親の部類でしょう。
被害者遺族の立場が全ての免罪符になるわけではありません。
署長は優しき人格者ですがダメな部下に甘すぎるにが唯一のただし、決定的な欠点です。
その性格が問題を複雑に。
ある警官は純粋過ぎるがゆえに悪にも正義にも染まります。
母親や署長の影響で変わります。
警官役の俳優さん良いですね。
演技も表情も好きです。
この三人を軸に物語は進みますが
思いもよらない方向に。
犯人は不明のまま。
でもそれが全然ストレスにならず。
ラストシーンも素晴らしい。
久しぶりに満点の映画見ました。
犯人探しはテーマではなく
監督・#マーティンマクドナー
出演・#フランシスマクドーマンド#ウディハレルソン#サムロックウェル
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アカデミー前に間に合った!
作品賞、主演女優、助演男優2人、脚本、作曲、編集、6部門7ノミネート
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極上の演劇、アメリカ社会風刺、ラストの開かれた未来。
アメリカを、現代を凝縮させた小さな町。主人公を中心に登場人物が入れ替わり立ち代りする様がとても演劇的だった。
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映画のラスト、素晴らしい終わり方でした。
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この映画は犯人探しが目的ではなくて、
同じ目的に向かって"一緒に進みだした"ここでスパッと物語は終わる。
ということはスタートは犯人を捜すという"目的は同じだが敵対"している人々。という人々の構図、アメリカ、世界の構図そのものがテーマ.
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町の内部で分裂していた人々が"外の敵"に向かって共に進みだす.
でも敵は真犯人ではない。殺しに行くのかどうか.
ラストのセリフ素晴らしいですね.
"それは道々考えればいいわ"
これから世界の未来は彼ら、観客の我々全員が決めるんだ、っていう現実の世界に開かれたメッセージ.
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ヘイズに味方してくれたのはどんな人か。ディクソンに優しくしたのは誰だったか。
めちゃくちゃ琴線を揺さぶられた。
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サスペンスながらユーモアもたっぷりで、ドラマチック、人間は単純な善悪に別れておらず、カントリー調の世界は優しくもある、物語に社会風刺全開で115分でまとめる。文句無しの作品でした。
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役者サムロックウェル、素晴らしすぎる。
シリアスな中にも滑稽さが
怒れる母親、暴力クズ警官など、アクの強過ぎる登場人物達の絡み合いが、濃く激しく、印象的でした。
シリアスな中に適度に滑稽さが挟まれたテイストも良かったです。
殺人事件の犯人探しという話ではありませんが、田舎町の不穏感不信感から始まる流れが、意外な展開で良い意味で裏切られる、ヒューマンドラマでした。
憎しみの彼方
強い怒りのその先になにが生まれてくるのか。よく「復讐は何も生まない」という言葉を耳にするが、この作品では復讐を考え抜いた先を描いている。言葉にできないほどの怒りと誰しもが持つ愛がこの作品のテーマではないかと思う。
だれかの愛に気づける作品。
コーエン兄弟が『火の鳥 鳳凰編』をやってみた in アメリカのド田舎
『スリー・ビルボード』観た! 「これはすげー」っていう感動とお腹が痛くなるほどのヘヴィさのハイブリッドでクラクラしちゃう。
物語の真ん中にあるのは、3つの看板広告、手紙、そして会話。言葉というものの強さゆえの怖さと滑稽さがめちゃくちゃ痛いのよ。それは「伝える/描写する」だけではなくて、時には現実さえも追い越してしまう手のつけられなさだったりする。
〝コーエン兄弟が『火の鳥 鳳凰編』をやってみた in アメリカのド田舎〟的な衝撃。因果応報ですらないのです。ヤバいね!
いい映画ではあるけど
作品としてはよく練られたいい映画だと思うけど、やるせない気持ちをよりいっそうやるせなくさせてしまう作品でもある。
なにか辛いことがあったとき、誰もが潜在的に持ちうる感情があって、それを乗り越えることができなければ、人はこうやって堕ちてゆくのかな。
いろんな賞を受賞しているので、賛辞を惜しまぬコメントが増えるだろうけど、あくまでも「感情は表現しても構わない風潮」がある欧米ならではの映画賞。なぜならキリスト教が心底ある社会では、露呈された感情は神への懺悔であり、露呈し認めることによって許される、と考えるから。
逆に仏教的に自ら感情を抑えて乗り越えていくことを重んじる日本社会では、この映画を反面教師的に捉えられなければ観ない方がいいんじゃないだろうか。特にこの主人公のように自分の被害と関係あるともわからない人々を復讐のターゲットにするのは日本人的には論外でしょう。
たしかに重い苦しみを得たとき、いろんな人にもっとわかって欲しいと思うものだし、それに関わってる人に責任を追及したくなる。でも、実際には自分が考えている以上にその人たちは深刻に受け止めてくれているし、過剰な期待は逆効果になりがちだ。
もちろんこの主人公が経験したほどの苦しみは経験したことはないけど、彼女と比すれば小さな苦しみであっても、黙って時が過ぎるのを待つしかない時期があるんだろうね。
そういう意味で人の苦しみを理解する上ではいい脚本なのしれない。
憎しみ合いの果てに
犯罪被害者遺族の心情はどんな形であっても怨みを晴らすことはできない。
しかし憎しみと仕返しを繰り返しながら
罪を償うということは
一体誰のためなのか
必ずしも正義がどこにあるのかは
誰にもわからないのかもしれない。
観終わった後、久しぶりに自分なりに
考えを巡らせて
残るものがある作品でした。
期待が大きすぎた?
すごく期待して観に行った。ママ役の人はファーゴ以来でとても懐かしかった。あとウッディハレルソンとサムロックウェルも素晴らしかった。ただ脚本が消化不良な感じがした。署長は冒頭とても傲慢に人物かと思われたが、普通にただのイイ人だったし、膵がん末期のわりには、見た目とても健康そうに見えた。自殺したのも共感できない。最期に苦しむ所を妻に見せたくないっていうのも、そうかな~?粗暴で人種差別する警官が、署長からの手紙で真人間になるのも、強引な展開な気がする。
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