「愛と憎しみは表裏一体」スリー・ビルボード wkchanさんの映画レビュー(感想・評価)
愛と憎しみは表裏一体
憎しみは憎しみを生む。
雪だるま式にあっという間に巨大化しエスカレートし続けるそれは、それぞれの正義の名のもとに存在している。
この映画にはヒーローもヒロインもいない。
登場人物は良くも悪くも私たちと同じ普通の人間だ。みんな完璧なんかじゃない。
私たちだって、こうしているうちにも愛する人や守るべきものがあるがゆえに、時として狂気に満ちた憎しみを生みだしてしまう可能性がないとは言えない。
愛と憎しみは表裏一体。
にもかかわらず憎しみは憎しみしか生まない。
しかし愛と優しさは凍りついた心を簡単に溶かしてしまうパワーを持っている。
ラストシーンでのミルドレッドとディクソンとのやりとりは、何気ない中にも優しさが溢れていてなんとも言えず温かい気持ちにさせられた。
まだ何も解決はしていないけれど、やっと肩の荷がおりたような2人の安堵の表情とミルドレッドの笑顔がとても印象的で、今後の明るい未来を示唆していると感じた。
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